“災害級”暴風雨に厳重警戒 取り壊しできず…宮崎最古の市場の不安 台風6号九州へ(2023年8月7日)
沖縄に大きな爪痕を残した台風6号は、ゆっくりと北上しています。九州はこれからがピークですが、高い警戒が求められます。なぜなら、こういう特徴があるからです。台風6号は、速度がゆっくりなので、影響が長期間にわたること。周辺海域の海水温が高いため、現在の勢力をほぼ維持したまま、九州に接近してくること。そして、雨風が一段と強くなる台風の東側に、九州が入り続ける可能性が高いことです。
九州南部や奄美地方では、8日夕方までの24時間で300ミリという大雨が予想されているほか、四国や東海でも九州に匹敵するような大雨が予想されています。九州南部と奄美地方では、8日夜にかけて、線状降水帯が発生する可能性もあります。
気象庁 立原秀一主任予報官:「台風の動きが非常に遅い。それに伴って、非常に広い範囲で長い時間、大雨が続く見通し。特別警報についても危機感を持っていることは確か。大雨に厳重な警戒をすべき期間が、10日ごろまでは考えられる」
現地では警戒レベルが上がっています。鹿児島港では、多くの船が係留されていて密集していました。1カ所に船が集中しているのには理由があります。
男性:「うちの船は隣の港なので、風当たりが強いので、こっちの方に避難させてもらっている。(Q.普段はここに停泊してない)ないですね。風当たりの強い港は、船を避難させないと沈んだり、周りの仲間の船が沈んだりとか何年か前あったので」「(Q.改めて補強を)し直すという感じですよね。普通のつなぎ方では、台風の時はもたない」
強風対策は他の場所でも…。
鹿児島市の建設現場では、足場が倒れないように補強作業が行われていました。足場はしっかり固定し、防塵用のシートも風に当たらないよう折りたたんで固定。仮設トイレも吹き飛ばされないようにします。
七呂建設 川崎健二さん:「何より足場が組まれている現場は、足場が倒れてしまうと、近隣の方、工事中の建物にも大きな被害を与えてしまうので、一番重要視している。(Q.接近してきている台風をどう思う)正直怖いです。7日朝の進路も鹿児島の左側に寄っていた進路で、吹き返しなんかも強くなるのではと思っています」
鹿児島市内のホームセンターでは“この台風ならでは”の対策グッズが売れていました。
ハンズマン宇宿店 船津二郎店長:「元々は停電の時に、エンジン式の発電機が売れていたが、最近はポータブル電源という家庭用充電器の大きい型が売れてます」
長期間の停電にそなえたポータブル電源。1台5万円もするタイプが品切れ状態です。先週、沖縄が長期間の停電に見舞われたことで、備えに対する意識が高まったのかもしれません。
進路を変えた台風によって、急きょ対応を迫られたイベントもあります。4日に始まった『ランタンナイト』は、宮崎の夜を幻想的に彩る、夏の風物詩の1つです。今年は4年ぶりの開催とあって、気合も入っていましたが、台風接近の予報を受け、6日から休園を余儀なくされています。全てのランタンを撤去し、電球も一つずつ手作業で取り外しました。その数、実に1万個に上ります。
フローランテ宮崎 富岡里香さん:「Q.たくさんありますね)スタッフ総出でランタンを外して、電球も外しました。台風6号は大変スピードが遅いと聞いておりますので、臨時休園の期間が4日間と長くなっていて、大変残念です。台風の被害がないことを祈り、また再設置してお客さんを迎えたい」
対策をしたくてもできない。そんな恐怖と向き合う人々もいます。宮崎市内にある商店街『青空ショッピングセンター』は、終戦直後から続く宮崎最古の市場の1つで、今でも数軒の店舗が営業しています。あちこち老朽化が目立ち、先月急に崩れた建物もあり、商店街の耐久性はすでに限界に達しています。しかし、店舗の所有者20人ほどの行方が分からず、取り壊しや建て替えができない状況です。九州南部では8日、45メートルという最大瞬間風速が予想されています。
近所の店舗:「心配か心配じゃないかで言ったら心配。また崩れないかなと。ものが飛んで、人に当たらないといいけどなと」「トタンやらが、こっちに飛ばなければいいけどね。ここは一日中、車が通ってるから」
もう1つ忘れてはならないのが“潮の満ち引き”とのリンクです。先週、冠水に見舞われた沖縄・名護市。海からの暴風で発生した高潮と、満潮のタイミングが重なったことが、冠水の原因になりました。
自宅が床下浸水の被害に遭った女性は、当時のことをこう話します。
自宅が被害に遭った女性:「(朝食を)食べてすぐ、ごはん食べるまもなく、これヤバい海水が入ってきたら、もうすぐ家の中に入るよ。(Q.海水がここまでくる速さは)ほんの5~10分。潮の海水というのは怖くて、普通の雨ならここもしのげるんですけど、海水は一瞬だから」
高潮は九州地方でも警戒すべきことです。
気象庁 立原秀一主任予報官:「九州南部・九州北部地方・四国地方において、9~10日にかけて潮位が高くなる可能性があります。高潮警報までに至る予想は、今のところはないと見ています。ただし、今後の台風の進路ですとか、発達の程度、状況によっては今後、危機感が高まる可能性もありますので、今後の最新の情報を利用して、十分留意いただきたいと思います」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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