日大アメフト部寮から大麻、大学にまん延する“違法薬物”…実態は?【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

日大アメフト部寮から大麻、大学にまん延する“違法薬物”…実態は?【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

日大アメフト部寮から大麻、大学にまん延する“違法薬物”…実態は?【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

日大アメフト部員が違法薬物を所持した疑いがある問題で、3年生部員が違法薬物の所持を認めていた事が分かりました。

大学生による大麻の問題、なぜ相次いでいるのでしょうか?

■なぜ?若者の“大麻汚染” 大学で“違法薬物”相次ぐ

山内あゆキャスター:
特に大学の運動部で違法や薬物を巡る問題が相次いでいます。

まず7月6日、日大アメフト部の寮から乾燥大麻と覚醒剤の成分を含む錠剤が見つかりました。これを受けて8月3日に警視庁が家宅捜索を行い、事情を聴かれた3年生の男子部員が所持を認めました。一方で、「錠剤は使用していない」と説明しているということです。

他にも7月、東京農業大学のボクシング部の19歳の男子部員2人が大麻取締法違反容疑で逮捕。(※8月3日 うち1人の男子部員を再逮捕)

岐阜の朝日大学のラグビー部では、8月3日に3年の男子部員3人が大麻取締法違反の疑いで逮捕されています。

東京農大と岐阜・朝日大のケースは「所持」ではなく「販売」目的で、持っていた大麻の量もかなり多かったということで、入手ルートがどうなっているのかもこれからの捜査で進んでいくと思います。

■若い世代に広がる大麻 大学生「容易に手に入る環境ではあるのかな」

顕著なのが、若い世代への大麻の広がりです。
なぜ若い世代に広がっているのか、どんなリスクがあるのか、見ていきます。

まずはデータからです。

【大麻検挙数】※警察庁より(2022年は約7割が29歳以下)

大麻によって検挙されている人は年々増えています。特に顕著なのが29歳以下、つまり20代10代が中心です。2022年のケースでは約7割が29歳以下で、30代以上よりも多いです。

【2022年度 関西四大学 「薬物に関する意識調査」】
Q.薬物を入手可能と考えるか?
「手に入る」と回答した人→約4割
Q.入手可能と考える理由は?
「SNS・ネットで見つけられると思う」と回答した人→約9割

では、大麻がどのぐらい身近な危険になっているのか、渋谷で聞きました。

都内の大学生A
「渋谷とか若者の街でクラブとか流通してるところもあるので、容易に手に入る環境ではあるのかなと思います」

都内の大学生B
「飲みの場でちょっと酔ったときにちらっと一回だけ(誘われた)。『(大麻を)取り寄せることもできるよ』っていわれて断った覚えがあります。普通に軽いノリで『1回だけどう?』みたいな。たばこ誘うみたいなノリですね」

山内キャスター:
他にもSNSで「野菜」や「絵文字」などで大麻を連想させるような隠語を見かけたことがあるという人、「取り寄せもできるよ」と飲みの場で友人に誘われた人、知り合い経由で「ちょっとやってみない?」と声をかけられた人などがいました。

本当に短い時間の取材でしたが、半数の人が「大麻を身近に感じた」と話していました。

■なぜ若い世代に?入手しやすい環境と危機感の低下

では、なぜ若い世代に多いのかについて、薬物依存に詳しい湘南医療大学の舩田正彦教授に聞きました。

近年、乾燥大麻の押収量が増えているそうです。押収される量は全てではありませんから、やはり入手しやすい環境が整ってしまっている点、もう1つ、“大麻は安全”という誤った認識から、若い世代には危機感が低下しているということです。

湘南医療大学 舩田正彦教授
「親しい間柄だと誘われた場合、関係性を壊したくないために断りづらい状況になりやすい」

井上貴博キャスター:
同調圧力もあって、やってしまう。あと、たばこに近い感覚になってきているのかもしれないですけど、よく海外で合法化してるからいいじゃないかっていう、でもあれは勘違いで、積極的に良しとしているのではなく、他の犯罪が多くて手が回らないからやむなく合法化してるんだっていうことです。そういう認識のずれがかなり広がってるのかなと感じます。

産婦人科医 宋美玄さん:
大麻を完全に無害だと思ってる人も増えてきているのかなと思うんですけれども、もちろんすごく厳罰に処したり、スティグマを植え付けるようなことは弊害もありますけれども、依存性もありますし覚醒剤とか“より依存性の高い薬剤”への入口になることもあるので、同調圧力やノリで始めるのは危険だという認識を広めないとダメだなと思います。

日比麻音子キャスター:
SNSには情報が溢れているからこそ、誤った認識が流通してしまう危険性というのを改めて自覚しなければいけませんね。

宋さん:
私が30年ぐらい前に学生だった頃は、大阪では大麻の声とかは聞いたことはなかったんですけれども、岐阜県とか、全国でも逮捕者が出ているということで、やっぱりネットの弊害もあると思うので、正しい情報も発信していかないとダメなんだなと思います。

山内キャスター:
大麻の危険性について、身近な人から言われると大丈夫なんだなと思うかもしれませんが、大麻は危険な薬物です。

▼大麻の危険性
・幻覚、幻聴が起こること
・運動能力、認知能力の低下
・薬物依存の可能性 

湘南医療大学 舩田正彦教授
「若い頃から使用すると、薬物依存になるリスクが5倍〜7倍に高くなるおそれがある。悩みなどがあれば専門の医療機関などにぜひ相談をしてほしい」

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