『子どもには秘密基地がいる』勝手に公園に遊具設置で82歳男性逮捕…ケガをした子も(2022年2月21日)
今年1月、公園に許可なくハンモックを設置したとして、82歳の男性が逮捕されました。自治体からの再三の指導にも従わず遊具などを持ち込み続けた男性の主張とは?
1月18日、京都府宇治市の公園に市の許可なくハンモックを設置したとして、都市公園法違反の疑いで82歳の男性が逮捕されました。警察に告訴した市は「再三の注意に従わず市民の安全のためやむを得ない対応だった」としています。
実際に問題の公園へ行ってみました。
(記者リポート)
「住宅街にある公園で、今、子どもたちが遊んでいる鉄棒にぶらさがる遊具、実はこれは近隣の男性が設置したものだということです」
ハンモックこそ見当たりませんが、手製の遊具やバットにボールなど、たくさんの遊び道具が置かれていて、これらは全て逮捕された男性が持ち込んだものだと言います。逮捕された後、釈放されて自宅にいるという男性を、2月9日に取材しました。
(公園に無許可で遊具を持ち込む男性)
「これ見たらわかるやろ。子どもが好きに持って行ってきゃあきゃあ言って遊んでる。本来なら表彰状を持って来たらいいんよ私に」
そもそも公園の管理基準などを定めた法律・都市公園法では、管理者の許可なく公園に遊具などを設置することは禁止されています。『6か月以下の懲役または50万円以下の罰金』に処されるおそれがありますが、なぜ男性は持ち込むことをやめないのでしょうか。男性の自宅の庭には逮捕のきっかけとなった問題のハンモックがありました。
(公園に無許可で遊具を持ち込む男性)
「そこにハンモック作って、あそこは秘密基地。秘密基地言うたら知ってるやろ。子どもには秘密基地がいるんや。あの中に入って遊ぶ」
さらに子どもたちの下校時間が近づくと、男性はおもむろに子どもには大きすぎるように思えるスコップやスポンジの棒などを次々と公園へ運びます。逮捕された後も毎日持ち込んでいると言いますが、一体なにが男性を突き動かしているのでしょうか。
(公園に無許可で遊具を持ち込む男性)
「子どもの笑顔を誰が嫌う?きゃあきゃあ言って遊んでるのを見たら自分らもうれしくなるやろ。きゃあきゃあ言う声が聞きたくて20年ほど前から始めとるんやけど」
全ては子どもの笑顔を見るためと話す男性。しかし6年前には男性が設置したハンモックから転落した子どもがケガをする事故も起きています。男性は、昔に比べて自由な遊び場が減り、子どもたちが遊びから学ぶ機会が減っていることが問題だと訴えます。
(公園に無許可で遊具を持ち込む男性)
「ついこないだまでそこにブランコはあったし、砂場は砂がいっぱいすり切りくらいまで入っていたし。そういうのを全部取っ払っている。すべてリスクがあっての世の中。そのリスクをゼロにしようとしているんや。今のあなた方、大人は。(Q危ないことも経験だと?)当たり前じゃない」
子どもを公園で遊ばせる保護者にも話を聞きました。
(保護者)
「それは一長一短でどっちにもとれますからね。自然の遊びができるといえばそうだし、危険といえばそうだし」
「子どもが遊ぶのに一応やってくれてはるんですけれど、親からすると安全に遊べない。それでケガをしたときに誰が責任取ってくれんのって話で」
宇治市は「安全性が確認されていない遊び道具を持ち込むのは危険」として、引き続き男性に指導を行っていく考えです。
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