死亡事故起きた京都・保津川下りが運航再開 船を改良し救命具も変更 組合「きちっと安全を確保する」
今年3月に転覆事故が起き船頭2人が死亡した京都府亀岡市の保津川下りが、17日運航を再開しました。
京都を訪れる観光客に人気の亀岡市の保津川下りでは、今年3月、乗客と船頭あわせて29人が乗った船が転覆し、船頭2人が亡くなりました。
船を運航する「保津川遊船企業組合」は、事故後、すべての運航を取り止め、再発防止策を検討していました。
6月、再発防止策がまとめ、専門家の指導のもと緊急時に備えた訓練を実施。新たな救命具や無線機の調達のめどもたったことから、組合は運航を再開を決めました。
16日には、国土交通省職員の立ち会いのもと、試験運航が行われ、航路の安全が確認できたとしています。
(保津川遊船企業組合豊田知八代表理事)
「お客様を安全に安心にご案内するということが、一番の私たちの責務でありますし、一回一回の操船をきちっと安全を確保していく、それに徹することが一番大事だと思っています」
事故について国の運輸安全委員会の調査などは続いていますが、手こぎの船は法律の適用外のため、運航再開は、運航事業者の判断にゆだねられます。
■再発防止策まとまる
この事故では、船の後ろでかじを取っていた船頭が操作を誤って川に落ち、船はコントロールを失い転覆しました。
そこで、船頭が足を開いて重心を低くする姿勢が取れるよう改良、さらに足場にベルトを装着しかじが落下しないようにしました。
また、救命具について、これまでは半数が手動で膨らませる腰巻型のものでしたが、自動で膨らむものとより安全なベスト式のものに変更します。
■過去には事故で廃止になったケースも
2011年、乗客と船頭あわせて5人の死者を出した静岡県浜松市の「遠州天竜舟下り」の事故では、運航が再開できないまま廃止になりました。
■地元・亀岡市もサポート
400年以上の歴史がある保津川下りを続けてほしいと亀岡市は救命具や無線機を新しくするために多額の費用がかかった組合に2000万円の支援を行いました。
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