「無我夢中で生きたいと思った」土石流にのみ込まれた町は…九州の記録的大雨6人死亡(2023年7月11日)
九州北部を襲った記録的な大雨で、新たに2人の死亡が確認され、亡くなった人は6人に上っています。依然、2人が行方不明となっています。
子どもと一緒に車に乗っていたところ、土石流に押し流された女性。どうにか近くの工場に逃げ込み、難を逃れたといいます。その時に足をけがしました。
女性:「もう無我夢中。生きたいと思いました。この子がいたから、特に」
福岡県久留米市田主丸町で起きた土石流は、7棟の住宅をのみ込みました。この土石流で、70代の男性が亡くなっています。
倒木と落石に埋もれた町で息子を待っている女性がいました。
女性:「息子です。私の薬を取りに行きました。心臓の薬を(Q.薬を持ち出す余裕は)余裕がなくはなかったけれど、気が動転して、慌てて出ました。
息子:「家の中は問題ない。ちょっと(土砂が)入ってますけど」
日々欠かせない心臓の薬も、無事に見つかりました。
カメラは消防に同行し、10日は入れなかった東峰村へ。
甘木・朝倉消防本部・原口憲一消防司令補:「(Q.どういった確認作業を)すぐ先に老人保健施設がある。救急要請に備えて、どこまで進入できるか調査も兼ねて」
まだ道路の状況が整っておらず、今すぐには、高齢者施設にまで救急車が入って来られないことを伝えました。
この地区で唯一の、食料品が買える施設『つづみの里』は斜めに傾き、木が覆い被さっていました。まだ山から水があふれ出ていて、近付くのは危険な状態でした。
つづみの里・高橋弘展さん「もう建て替えないといけないぐらい。近くのスーパーまで長くて30分弱かかってしまう。高齢者が生活で必要な物を買うのがなかなか難しい」
宅配便の配達も滞っています。
配達員:「10日から配達できていなかった。たまっているものをとりあえず。一応、現地には来てみたんですけど…。小石原っていうところは、もう無理です」
配達は諦め、別の地区を回ることにするといいます。
11日になって、現場を捉えることができた被害も。土砂が、大分自動車道のトンネルを塞いでいました。復旧のめども立っていません。上下線とも、朝倉IC~日田IC区間で通行止めとなり、福岡県と大分県を結ぶ高速道路の1つが寸断されました。
その大分では。中津市内を流れる山国川で、連絡が取れなくなっている50代女性の捜索活動が行われていました。現場からは、女性のものとみられる携帯電話が見つかりました。
川沿いに建つ住宅は土台の一部が崩れ、宙に浮いているような状態です。
寺坂公広さん(73):「音がしたのは10日夜の12時ちょっと前。音がすごかったです。こんなものが落ちたから、地震みたいな感じですね(Q.その時、雨は)降ってない」
経営する理容室と自宅は、床下浸水の被害に。11日は9人の孫も手伝って、泥をかき出す作業に追われました。
日田市では、小野・大鶴地区が孤立状態となっています。集落とは、電話も通じていません。
日田市の職員:「(Q.住民はどう過ごしている)(情報が)入っていない。電気は来ていない」
大分県によると、道路をふさいでいた流木の撤去は順調に進み、孤立状態は11日夜中に解消される見込みだといいます。
佐賀県唐津市では、住宅2棟が押しつぶされました。11日は一転、容赦ない日差しが照り付けるなか、捜索が再開されました。道幅が狭いことなどから重機は使えず、ほぼ手作業です。
捜索に参加した消防団員:「石とかも多い。二次災害にならないように、皆気をつけてですけど、なかなか難しいというか。ここまで酷いことがなかなかない」
この現場では、女性1人が亡くなり、男性2人の行方が分からない状況でした。
行方不明男性の知人:「若い人から好かれる。朗らかで皆のリーダー的な。地域の皆が思っています」
家族によると、周辺の川で、行方の分からない男性のものとみられるスマホが見つかったといいます。そして、午前11時過ぎ、土砂崩れが起きた現場から約6キロの漁港の沖合で、70代男性が見つかりました。救助されましたが、その後、死亡が確認されました。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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