「君しかありえない」自白を強要するような取り調べ 大阪府警が2度の誤認逮捕 無関係の男性が証言
大阪府警が知人の女性を脅迫したなどとして、事件とは関係のない男性を2回にわたり誤認逮捕していた問題で、男性が読売テレビの取材に警察の高圧的な対応の数々を赤裸々に語りました。
誤認逮捕された男性(20代)
「よく言われた言葉としては『犯人は調べた中で君しかいない』と。理由を説明してくださいと言ったら、『理由は言えるわけない。バカなんじゃない』とも言われました。決めつけがすごかった」
大阪府内に住む20代の会社員の男性が最初に誤認逮捕されたのは、今年4月のことです。
容疑は知り合いの女性に対する脅迫と強要未遂。SNSのダイレクトメッセージで女性を脅迫し、裸の写真を無理やり送らせようとしたというのです。
誤認逮捕された男性(20代)
「本当に身に覚えもないし、警察に対して何回も、本当に逮捕して大丈夫ですか?と言ったら、『別にいいよ』みたいな。話はしなければいけない状況だなと把握したうえで、何かの間違いだと、真実を話そうという気持ちしかなかった。ある意味、警察を信用していた」
説明すればわかってもらえると考えていた男性は、一貫して容疑を否認し続けました。しかし、連日、自白を強要するような取り調べが行われ、長い日には約12時間にわたりました。その間、警察は聞く耳を全く持たなかったといいます。
誤認逮捕された男性(20代)
「(警察から)『正直に言えよ』は毎日、毎回言われていました。最初に逮捕されてから20日間、『君しかありえない』と、『君がやったんだから』と言うのが口癖かのように取り調べが進んでいった」
さらに、翌月には。
誤認逮捕された男性(20代)
「別の取調室に連れて行かれて、『リベンジポルノの罪で君に逮捕状が出てるから』ということで再逮捕された」
同じ女性に対するリベンジポルノ防止法違反の疑いで再逮捕され、合わせて40日間勾留されました。
2度にわたる誤認逮捕は男性の家族にも大きく影響しました。
誤認逮捕された男性(20代)
「逮捕された週の週末には弟の結婚式があったが、婚姻関係は変えずに、結婚式はキャンセル。少なくとも延期になった」
勾留期間が終わり、男性は5月に釈放されましたが、外出する際には誰かに見張られているような感覚に襲われるなど、精神的につらい時間が続いたと明かします。
そして、逮捕から約3か月たった10日。大阪府警は男性のアリバイが証明されたことなどから、事件とは無関係だったことを認め、謝罪したのです。
誤認逮捕された男性(20代)
「警察イコール正義で、正しいと思っていたのが今までだったのでショックですし、警察に対しては不信感しかなかったですね」
男性は謝罪の内容について、「詳細な説明がなかったため納得できない」として、大阪府に対し損害賠償などを求める訴訟を検討しています。
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