老老介護車いすごと妻を海へ夫81が介護40年間の末に(2023年7月5日)

老老介護車いすごと妻を海へ夫81が介護40年間の末に(2023年7月5日)

“老老介護”車いすごと妻を海へ 夫(81)が介護40年間の末に(2023年7月5日)

 妻を車椅子ごと海に突き落として殺害した罪に問われた81歳の夫の初公判が開かれました。40年におよぶ介護生活の実態が明らかになると、すすり泣く声が法廷に響きました。

 およそ40年にわたって介護してきた79歳の妻を81歳の夫が車椅子ごと海に突き落としたとされる事件。

 藤原宏被告(81):「間違いありません」

 高齢者が介護を担う「老老介護」を巡る事件の裁判員裁判、初公判が開かれ殺人の罪に問われている藤原宏被告は起訴内容を認めました。

 藤原被告は去年11月、神奈川県大磯町の漁港で妻の照子さんを車椅子ごと海に突き落とし、殺害した罪に問われています。検察側の冒頭陳述によると、照子さんが脳梗塞(こうそく)を発症し左半身不随になったのはおよそ40年前。着替えや入浴などが1人ではできなくなりその後、車椅子生活になります。

 藤原被告を知る人:「すごく朗らかな人だったから、ご主人(藤原被告)も奥さんも。すごく(夫婦)仲は良かった。一つも愚痴は聞いたことはなかった」

 ここ数年、体力の衰えなどから介護することが難しくなったという藤原被告。事件のおよそ1カ月前にはこんなことが。

 検察側の冒頭陳述から:「自分が元気なうちに被害者を自分よりも先に、あの世に送ってあげた方が良いと思い、被害者の首を絞めた」

 藤原被告は照子さんを施設に入所させることに強く反対。検察側は、施設に入所させるくらいなら照子さんを殺害してしまおうと決意したと指摘したうえで、嘘を言って港に連れ出し、車椅子ごと突き落とすなど犯行は悪質だと主張しました。

 一方、弁護側は、藤原被告は面倒を一生みるという強い決意で介護してきたとし、「一緒に飛び込むつもりだったが死にきれなかった」と話すなど、くむべき事情があるなどと主張しました。

 判決は18日に言い渡される予定です。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

ANNnewsCHカテゴリの最新記事