“この時期”だけのサービスも考案…コロナ禍を耐える居酒屋チェーン 止まらぬ撤退(2022年2月18日)

“この時期”だけのサービスも考案…コロナ禍を耐える居酒屋チェーン 止まらぬ撤退(2022年2月18日)

“この時期”だけのサービスも考案…コロナ禍を耐える居酒屋チェーン 止まらぬ撤退(2022年2月18日)

新型コロナウイルスの感染拡大から2年が経ちますが、居酒屋チェーンの店舗の撤退が止まりません。信用調査会社によりますと、コロナ前に比べ、大手の居酒屋チェーンだけで全店舗数の約2割にあたる約1300店が減ったということです。

 長引く新型コロナの影響で今なお苦境に立たされている飲食業界。中でも居酒屋チェーンへの打撃は深刻です。2月14日、外食チェーンの「ワタミ」は、「ミライザカ」や「鳥メロ」など展開している居酒屋計約270店舗のうち、40店舗ほどを年内で閉めると新たに発表しました。ワタミの居酒屋店は新型コロナが拡大する前は約450店舗ありましたが、半分ほどに減ってしまうことになります。

 東京商工リサーチによりますと、「鳥貴族」や「串カツ田中」など上場している居酒屋チェーン主要14社の店舗数は、新型コロナの感染拡大が始まった2019年12月以降、2021年12月までに、全体の約18.8%にあたる1356店舗が閉店したということです。

 神戸を中心に居酒屋店を展開している「ワールド・ワン」も厳しい状況が続いているといいます。

 (ワールド・ワン 松波知宏取締役)
 「コロナの感染が拡大するたびに、お客さんの足が遠のいていっているという感じはあります。(コロナ禍で)閉めたのは5店舗です」

 営業自粛要請などのあおりを受けて、すでに5店舗を閉めました。今も厳しい経営を強いられていますが、試行錯誤を重ねて店舗の維持を図っているといいます。

 (ワールド・ワン 松波知宏取締役)
 「足のはやい食材は量を減らしたり、同じ食材を使った料理を増やしたり、少しメニューをしぼったりとか」

 仕入れの段階で食材を厳選し、メニュー数をしぼることによって食品ロスによる損失を減らしています。一方で、遠のく客足を引き留めるため、今回のまん延防止等重点措置が出されたあと、店の目玉商品でもある地酒を全面に打ち出した新たなサービスを始めました。

 (ワールド・ワン 松波知宏取締役)
 「時間無制限で税込み1100円で地酒飲み放題をしています。もともとの午前0時まで営業をしているなかでこれをやっちゃうとさすがに採算があわなくなってくる。今の時期だからこそできる施策かなと思います」

 時間を無制限にすることで早い時間帯からの客を増やそうという狙いで、売り上げは伸びているといいます。2月17日も早速、飲み放題目あての客が訪れていました。

 (客)
 「日本酒が好きなので、2時間くらい飲んで帰ろうかなと」
 「(Q『飲み放題』を見ると行きたくなる?)ちょっと心がわくわくした」

 創意工夫で厳しい時を耐え忍ぶ居酒屋。いまはアフターコロナに備えながら耐えるしかないと話します。

 (ワールド・ワン 松波知宏取締役)
 「会社は続けていかなきゃいけないし、従業員の皆さんもいるので、雇用を守っていきたいという思いがあるので、耐える部分と将来に向けた種まきの両方をしっかりやっていく必要があるかなと」

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