同じ場所でも異なる表記マイナ誤登録住所の壁民間でも四苦八苦(2023年6月27日)

同じ場所でも異なる表記マイナ誤登録住所の壁民間でも四苦八苦(2023年6月27日)

同じ場所でも“異なる”表記…マイナ“誤登録”『住所』の壁 民間でも四苦八苦 (2023年6月27日)

政府は、「マイナ保険証」の一本化や、相次ぐ問題の“総点検”を進めていますが、そこで、大きな“壁”になっているのが“日本の住所”です。

例えば、『一丁目2番3号』と書くか、『1-2-3』と書くか、これらは同じ住所ですが、マイナンバーのシステムでは“違う”と認識するなど、ひも付けミスの原因にもなっています。
河野太郎デジタル大臣:「住所の記載については、統一したルールが存在しない問題と、いかにして最新の情報を入手するか。これは日本のデジタル化の大きな課題」

同じ住所でも、書き方が異なったり、省略したり、日本中に存在するいわゆる“表記の揺れ”。ほかにも霞ケ関駅があるのは霞が関、百合ケ丘駅があるのは百合丘など、紛らわしい地名が各地にあります。

そもそも、マイナンバーでひも付け間違いが起きた多くの原因も、この“住所問題“が大きく関わっていました。
松本剛明 総務大臣(6月13日):「共済組合の方が“J-LIS”に照会をして行った。そのときに住所の照会・照合が十分でなかった」
加藤勝信厚労大臣(5月23日):「マイナンバーが書かれていなかったので、保険者のほうで“J-LIS”で情報を取って、入れたときに間違いがあった」

『J-LIS』とは、マイナンバー制度を支える中枢の組織で、マイナンバーカードの発行も行っています。

2014年に設立され、今や国民全員分のマイナンバーと、そこに連なる『氏名』『性別』『生年月日』『住所』の4つの情報を保有しています。このデータを基に、マイナンバーと年金や保険証の情報がひも付けられます。

例えば『保険証』の場合。健保組合が、私たちのマイナンバーを入手して、保険証の情報と結び付けます。ただ、本人からマイナンバーを提出してもらえないなど、番号がわからない場合、健保組合は、J-LISに対し、4つの情報をもとに検索。マイナンバーを入手することができます。

ここで問題となるのが“住所表記”です。J-LISが保有している住民票の“表記”と、検索する“住所の表記”が完全に一致しなければ、該当する人物を見つけることができません。

番地の表記ルールは自治体ごとにばらばらなため、そもそも検索条件から「住所」を外していたケースも少なくないといいます。

一連のひも付けミスが発覚するきっかけとなったAさんは、「住所」が省かれたことで別人がひも付いてしまいました。
他人の情報が登録されていた女性:「(相手は)私と同姓同名で、生年月日、性別も一緒。(情報を)取ったときに3点だったので、間違いをしましたと説明を受けた」

こうした問題は、すでに12年前から指摘されています。

日本の複雑な住所。何か対策はないのでしょうか。

経路検索サービスなどを提供している『ナビタイムジャパン』。“住所問題”と長年向き合ってきました。
ナビタイムジャパン開発部副責任者・小田中育生さん:「愛知県小牧市に『大山』、同一の名称で『おおやま』と読みも一緒だが、違う場所だということが住所として存在している。大山同士がけっこう離れていて、車で25分かかる。知らずに間違えた方に行ってしまうと、リカバリーがなかなか大変な位置」

そこで、“住所クレンジング”という技術で対策しています。『大山』と打つと、わかりやすいように通称名とあわせて2つの候補を表示。番地でも、ハイフンや、平仮名の『の』を『丁目』の形に修正してくれます。

もう20年以上、この技術に取り組んでいますが、終わることはありません。
ナビタイムジャパン開発部副責任者・小田中育生さん:「住所というと、我々、不変のもののように感じるが、実は、日々、行政区の名前が変わったり、住所の名前が変わることはある。まず、そういうアップデートも必要。プロフェッショナルたちが四苦八苦しながら頑張っている」

政府は、どう対応していくのでしょうか。
加藤勝信厚労大臣:「こう書いてくださいと決められればいいのかもしれませんが、色んなバリエーションがあって、それも難しいところがある。短期的にすぐ対応できるものは何なのか試しながらやっていきたい」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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