「破局的な損壊」5人死亡か…タイタニック号付近に潜水艇破片「圧力室の破滅的喪失」【もっと知りたい!】(2023年6月23日)
アメリカ沿岸警備隊は、「タイタニック号」の観光ツアー中に消息を絶った潜水艇が破局的な損壊を起こし、乗員5人の生存は絶望的という見方を示しました。
■運営会社が声明「5人は残念ながら亡くなったか」
アメリカ沿岸警備隊 ジョン・モーガー少将:「『タイタニック号』の船首から500メートルほど離れた海底で、潜水艇の後部の部品を発見した」
日本時間23日午前4時ごろ、現地で会見したアメリカ沿岸警備隊。それは厳しい現状を伝えるものでした。
モーガー少将:「他にも潜水艇の破片が複数見つかり、圧力室の壊滅的な喪失を示すものだ」
タイタニック号の探索ツアーに向かい、消息を絶った潜水艇「タイタン」。この会見の直前、運営会社が新たな声明を発表しました。
「タイタン」運営会社 オーシャンゲート:「5人は、残念ながら亡くなったと考えています。彼らは真の冒険家であり、世界中の海を探検し、保護することに情熱を注いでいました。この悲劇的な時に、我々の心は5人の魂と、ご家族の皆様と共にあります」
20日にカナダ軍が捜索中、海中から響いたという「バンバン」と30分おきに物をたたくような音。翌日には、カナダ軍だけでなくアメリカ軍の投下したソナーも、海中の音を探知したことが明らかになりました。
水難学会の代表は、次のように話します。
斎藤秀俊代表:「聞こえる音は、数キロ先の音が聞こえてくるかな。(音がする)方角は分かります。ある程度、正確な位置が決まれば、あとはロボットを入れる」
日本時間の22日夜、カナダの無人潜水機がおよそ4000メートルの海底に到着。最大6000メートルまで潜れるフランスの無人潜水機も、海中に投入されています。
イギリスの探査機も現地に向かっていて、世界各国から救助の手が差し伸べられています。
■去年のツアーでトラブルも…通信障害が発生
船内の様子を写した映像では、大人5人が座って過ごすのがやっとの広さ。複数のモニターが光り、天井にはライトがついていますが、電源が喪失していた場合、太陽の光も届かない、真っ暗な海底で、5人は過ごしていたことになります。
去年のツアーに参加したメキシコのユーチューバーが撮影した映像です。この時も、トラブルが起きていました。
乗組員:「音声が入ってきていない」
潜水艇の中に緊張が走りますが…。
乗組員:「今、通信できるようになった。少し違和感があるけど」
通信障害は改善され、ツアーは無事に再開されました。
■直径約50センチの窓から…海中のぞくことも
今回のツアーは、16日にカナダ・ニューファンドランド島を出発し、安全講習などをしながら、2日かけて大西洋を740キロ移動。タイタニック号が沈む地点に到着すると、18日の午前に潜水を開始しました。
搭乗者の1人、イギリス人のハーディング氏が、潜る直前とみられる潜水艇の画像をSNSに投稿しています。
潜水から2時間で海底3800メートルに到着。4時間ほど探索して、また2時間かけて浮上する合わせて8時間の潜水ツアーの予定でした。
全長6メートルの潜水艇「タイタン」は海底に着くと、船首側を下にして沈む全長270メートルの豪華客船「タイタニック号」に接近。先端にある直径50センチほどの窓から、海の中をのぞくことができます。
スマートフォンなど、自分のカメラで撮影できるほか、船外のカメラを操作して撮影することもできます。
過去のツアー映像では、手すりのような鉄格子がそのまま残った甲板の上や、船の側面などを、はうように探索していました。
潜水艇の外部に付いたライトが、深海を照らしていることが分かります。
斎藤代表:「ライトが当たって見える範囲というのがあるんですけど、数十メートル離れたら絶対見えない。(これは)本当に、もう数メートル」
アメリカ沿岸警備隊も、哀悼の意を表しました。
モーガー少将:「ご遺族に、深い哀悼の意を表す。ご遺族の心中を察するに余りある」
(「グッド!モーニング」2023年6月23日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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