“男女格差”ジェンダーギャップ指数 日本は125位に 2006年の調査開始以来過去最低【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG
「ジェンダーギャップ」(男女の格差)について見ていきます。世界経済フォーラムは、男女格差の状況をまとめた「ジェンダーギャップ報告書」を発表。日本は、対象となった146カ国中、「125位」(政治、経済、教育、健康の4分野で評価)。2006年の調査開始以来、過去最低の結果となりました。
■日本が特に低評価なのは「政治」…その背景は?
南波雅俊キャスター:
「ジェンダーギャップ」、男女の格差についてです。
世界経済フォーラムは21日、「ジェンダーギャップ報告書」を発表しました。
政治、経済、教育、健康の4分野を基準にするのですが、世界146か国中で日本は125位と、かなり下位に沈んでいます。
最もジェンダーギャップ指数、つまり男女格差がなかったとされる国はアイスランドです。そのほか、北欧の国が上位に来ています。ニュージーランドやドイツといった、ヨーロッパの国も多くあります。
イギリスが15位、アメリカが43位で、中国が107位。そして日本が125位という状況です。
中身を具体的に見ていくと、男女平等度の各分野はグラフの中心に近づくほど不平等で、外に広がっていくほど平等とされます。
教育や健康の分野では、日本はかなり平等だといえるデータになっています。しかし経済参画や政治参画でいうと、特に政治が低くなっているという状況です。
政治の分野ではやはり、国会議員の男女比や、閣僚の男女比などが非常に大きなポイントになってきます。21日に発表されたデータのなかでは、日本の国会議員の男女比は10%ほどですが、最も評価のよかったアイスランドは47~50%。北欧の国はこういう数字が多くあります。
専門家に話を聞きますと、ジェンダーギャップに詳しい村上由美子さんは…
村上由美子さん(OECD東京センター元所長)
「日本の『教育』『健康』は高評価だが、『経済』『政治』が足を引っ張っている。ポテンシャルが高いのに活かしきれていない」
ホラン千秋キャスター:
政治参画の分野については前々から、なかなか女性の参画が進まないといわれてきました。少しずつ変わっていたとしても、大きくは変わらないという状況が続いていますよね。
萩谷麻衣子弁護士:
20日に、自民党の茂木幹事長が「党所属の女性国会議員の割合を今後10年間で30%にする」と言っており、ずいぶん悠長だなと思いました。
2003年、日本政府は「2020年までに社会のあらゆる分野で指導的役割に就く女性を3割にする」と掲げましたが、2020年には実現できず、さらに20年経った現在(2023年)でもまだ実現できていません。だからこういう形でジェンダーギャップ指数の順位が低くなってくるんだろうなと、また改めて思いましたね。
■日本の男女平等化は世界に“10倍遅れ”!?
井上貴博キャスター:
民間企業でも、進んでいるところと遅れているところの差は結構あると思います。
今の政治でいうと、ここ数年、強制的に女性の比率を上げようというクオータ制が議論されています。私は基本的に賛成ですが、この議論をすると「いやいや、性別ではなくて能力で見るべきだ。むしろ逆差別だ」という声が必ず上がります。
だとすると「男性ってそんなに優秀ですか」と思うんですよ。男性が男性脳で作ってきた仕組みで土俵に女性が上がれなかったなら、その仕組みを変えようとするのは男性であるべきだと私は思っています。ジェンダーギャップの専門家には女性が出てくることが多いんですが、いや、男性が上げるべきだと。
萩谷弁護士:
おっしゃるとおりで、この男女平等格差を改善していくには、男性の意識を変えていかなければならないと思います。
経済の点でも日本は遅れていますが、特に上場企業は、やはり多様性が取り入れられていません。女性の取締役がいない、あるいは少ないとなれば、その企業には海外からもう投資されなくなりますし、株主総会で機関投資家から経営陣にノーを突きつけられます。外部の目が入る余地がかなりありますので、企業というのは多様性を取り入れていかなければなりません。
ただし、今、女性を取り入れている企業は社外取締役という形が多いです。社内の執行に関わる形での取締役を増やしていかないと、その企業が本当の意味で多様性が実現できるとは思えないです。
そういう意味では、企業のほうが切羽詰まっています。政治については外部の目がなかなか入りにくく、それで進まないという点はあると思いますね。
南波キャスター:
ジェンダーギャップ指数について、日本は徐々に平等になってきているのかと思いきや、実は2006年に80位だったものが、むしろ下がってきています。先ほど萩谷さんから「悠長」という発言がありましたが、実際に専門家もこう指摘しています。
村上由美子さん(OECD東京センター元所長)
「日本の男女平等が進んでいないわけではない。ただ、世界のスピード感は10倍速い」
井上キャスター:
あとは政治に女性がどんどん進出できるように、子育ての考え方や、「家族で絶対やりましょう」といった日本の考え方をちょっとずつ変えて、「…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20230621-6092757)
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