マイナカード…有識者会議メンバーに聞く“背景”“課題”「急ぎすぎでトラブル多発」(2023年6月12日)
政府が取得を呼び掛けてきたマイナンバーカードに、トラブルが続出しています。
なぜ、トラブルが多発しているのでしょうか?背景と課題を専門家に聞きました。
■トラブル止まらず…なぜ?
マイナンバーを巡るトラブルは「年金閲覧問題」以外にも、これまでに4つ明らかになっています。
1つ目は、「マイナ保険証」です。
マイナンバーカードと保険証をひも付けて一体化したときに、別人の情報が登録されていたことが、これまでに7300件以上確認されています。
2つ目は、児童手当や年金を受け取るための「公金受取口座」です。
本来ならば、本人名義の口座をひも付けないといけないのですが、家族名義の口座登録が約13万件、誤って他人の口座を登録した件が748件、発覚しました。
3つ目は、「マイナポイント」です。「マイナポイント」が、誤って他人に付与されたことが113件確認されています。
そして4つ目は、マイナンバーカードを使ってコンビニなどで住民票の写しなどを交付してもらえる「証明書発行」サービスです。
他人の証明書が発行されるトラブルもありました。
■「人為的なミス」と「システムの不具合」
こうしたトラブルの原因は、大きく分けて2つあります。「人為的なミス」と「システムの不具合」です。
まずは、「人為的なミス」です。マイナ保険証のケースを例にみていきます。
他人の情報が登録されたケースでは、申請を担当していた担当者がひも付けるデータを探す際に、生年月日を誤って入力してしまいました。
偶然にも、間違って入力した生年月日に同姓同名の人物が存在していて、住所は違っていたにもかかわらず、誤ってひも付けてしまったといいます。
ヒューマンエラーが起きていたわけです。
さらに、「システムの不具合」による問題もあります。公金受取口座のケースを例にみていきます。
このトラブルでは、本人以外の銀行口座が登録できてしまいましたが、そもそもシステムに問題がありました。
マイナンバーのICチップに登録してある名前は“漢字のみ”。フリガナは登録されていません。
一方で、金融機関の口座は“カタカナ”でデータを照会するシステムになっています。
その結果、システム上で双方の名義が一致しているか照合することができず、本人以外の口座が登録できる仕組みになっていました。
■トラブル続出…背景に「急ぎすぎ」
なぜ、このようなことが起きているのでしょうか。政府のマイナンバーカードを巡る有識者会議のメンバー、東京財団政策研究所・森信茂樹研究主幹に聞きました。
森信研究主幹は「急ぎすぎたから、トラブルが多発している」と話します。
また、政府はマイナンバーの利用促進を急いでやってきたため、現場では通常業務に加えて、追加業務が増えて一杯いっぱいになっている状態なのだそうです。
森信さんは「デジタル化はメリットがある」ので、「十分な予算をつけて人員を確保しながら進めていくべきだ」としています。
(スーパーJチャンネル「newsのハテナ」2023年6月12日放送)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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