「将太を返して」「一生許さない」遺族が涙ながらに訴え 神戸高2殺害事件 元少年に懲役20年求刑

「将太を返して」「一生許さない」遺族が涙ながらに訴え 神戸高2殺害事件 元少年に懲役20年求刑

「将太を返して」「一生許さない」遺族が涙ながらに訴え 神戸高2殺害事件 元少年に懲役20年求刑

 13年前、神戸市で男子高校生を殺害した罪に問われている元少年(30)の裁判員裁判で、検察側は12日、元少年に懲役20年を求刑しました。遺族5人は法廷で「息子を返して」などと涙ながらに訴えました。

 先週水曜日(7日)から始まった注目の裁判―。

 『元少年』の被告(30)
 「男性を複数回刺したのは事実です。殺すつもりはありませんでした」

 将太さんの父・敏さん
 「なぜ将太はあなたに殺されなければならなかったのですか?刺した時はどんな気持ちだったんですか?」

 『元少年』の被告(30)
 「気持ちは何もないです」

 13年前に高校2年の堤将太さんを殺害した罪に問われている当時17歳、現在30歳の被告の元少年は、これまでの裁判で殺意を否認。裁判は、殺意の有無と刑事責任能力の程度が争点となっています。

 この日の法廷では、将太さんのきょうだいを含めた遺族5人の意見陳述が行われました。

 将太さんの母・正子さん
 「将太の遺骨は今でも家のリビングにあります。将太、1人でお墓に入るのは寂しいでしょう。本当に代われるものなら私が代わってやりたかったです」

 将太さんの姉(長女)
 「病院に着くと将太が心臓マッサージを受けていました。将太の死を確認したあと、父を見たとき、父の服は血まみれでした。人を傷つけてはいけない。人が嫌がることをしてはいけない。どこかで習わなかったのでしょうか?捕まっていない間、どんな気持ちだったのですか?私は一生許さない」

 将太さんの父・敏さん
 「私の息子があなたに何かしましたか?私の息子があなた方家族に何かしましたか?息子の将太は殺されるために生まれて来たんじゃないんです。将太を返してください。私たちの生活を元に戻してください」

 陳述の間、表情を変えることなく遺族に目を向けていた元少年。

 検察側は「人を死亡させる危険な行為とわかりつつ及んだことは明らか」「精神疾患は認められず完全責任能力が認められる」などとして、懲役20年を求刑。一方、弁護側は改めて心神耗弱などを主張し「懲役8年が適当」と述べました。

 最後に陳述の機会を与えられた元少年は―

 『元少年』の被告(30)
 「過去の私はあまりにも未熟でした。最低です。自分を恥じています。自分のしてしまったことの償いをし続けます」

 これまでの裁判を通じて、将太さんの父・敏さんは…。

 将太さんの父・敏さん
 「真実、真相って一つでも出てきましたか?1日目お父さん、2日目被告人、何の真実も語っていないでしょ」

 少年法の規定により、名前を伏せて行われた30歳の元少年の裁判員裁判。判決は来週金曜日(23日)に言い渡される予定です。

読売テレビニュースカテゴリの最新記事