「自分の生きづらさは間違っていなかった」同性婚集団訴訟“最後の判決”は違憲状態(2023年6月8日)

「自分の生きづらさは間違っていなかった」同性婚集団訴訟“最後の判決”は違憲状態(2023年6月8日)

「自分の生きづらさは間違っていなかった」同性婚集団訴訟“最後の判決”は違憲状態(2023年6月8日)

同性同士の結婚が認められないのは憲法に違反するとして、全国の地裁で争われた一連の訴訟の“最後の判決”が8日に出されました。

福岡地裁の判断は「婚姻制度で得られる利益を一切享受できず、法的に家族と承認されないという重大な不利益を被っている」などと指摘し、「違憲状態」というものでした。

原告・まさひろさん:「自分の幼少期は、結構きつかったなと思っているが、きょう判決を聞いた時に、きつかったって思ってたのは本当にきつかった、間違っていなかったんだとすごく感じて。『違憲の状態にあると言わざるを得ない』と言ってもらえた時に、自分の幼いころから感じていた生きづらさとかって、間違っていなかったんだと、ふと感じて、ちょっと涙が」

今回の訴訟の原告団に入っている、こうすけさん(33)と、まさひろさん(35)。2年前に結婚式を挙げ、事実婚の関係にあります。ただ、婚姻届けが受理されなかったことなどから、違憲裁判を決意しました。

こうすけさん:「婚姻って、やっぱりハッピーな時だけのものじゃなくて、お互い何かあった時に、お互いを法的にどんな関係性なのかを示してくれるものだと思う。例えば私が急に病気で倒れたり、事故に遭った時に救急搬送されて、医師から病状の説明だったり、治療の方針だったりの話が、やっぱり家族じゃないことでできないって言われるかもしれない。もしもの時は実際どうなるか分からない。その不安がいつも付きまとう。何かあった時にどうなるんだろう。この家は、この車は、この貯金はって考えながら生きていくのって、すごくしんどいことだと思う」

日本は同性カップルにとって生きやすい環境とは言えません。当事者たちは、法制度が変われば、差別や偏見がなくなると期待しています。

まさひろさん:「家族の形って家族が決めるから、国に決めてもらわなくてもいい。色んな家族がある。子どもを産みたい家庭もあれば、持ちたくない家庭もある。産めない家庭もあれば、事実婚でいい家庭もあったり。一刻も早く法制化をしてほしいというのが一番。そうすれば裁判もしなくていいし、幸せなカップル、幸せな人たちが増える。結婚したい人はすればいいし、したくない人はしなくていい。選択肢が増える社会が一番いいと思う」

世界の潮流は「同性婚を認める」です。34の国と地域が同性婚を法制化、または結婚に準じるパートナーシップ制度などを導入しています。日本でも、世論調査では、70歳以上を除き、全ての年代で同性婚賛成が過半数を大きく超えています。

一連の同性婚をめぐる裁判では、5つの地裁のうち4カ所で「違憲」ないしは「違憲状態」という判断が下されました。違憲状態とは「一定期間の間に是正が必要」といった、立法府に出したイエローカードのようなものです。

一方で政府は、これまで一貫して同性婚に否定的な構えを崩していません。

岸田総理:「こうした制度を改正することになると、すべての国民にとっても、家族観や価値観や、そして社会が変わってしまう」

今後、新たな行動を起こす可能性はあるのでしょうか。

松野官房長官:「同性婚の導入をめぐる課題については、国民各層の意見、国会における議論の状況、同性婚に関する訴訟の動向、地方自治体のパートナーシップ制度の導入や運用の状況を注視していく」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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