「人員・時間もきつかった」疲弊する現場…マイナ保険証の確認はすべて“手作業”(2023年6月5日)
マイナカードをめぐり、新たな問題が浮上しています。
河野太郎デジタル大臣:「今の時点で、ご家族の口座にひも付けをしている人は、給付が行われたときに自治体で“本人名義”と“口座名義”を確認し、名義が違うと給付されなくなるので、家族の別な口座にひも付けした人は、補正してくださいとお願いしている」
マイナカードに自分の銀行口座などをひも付けて政府からの給付金を受け取れるようにする「公金受取口座」の登録。親が子どもの分の手続きをした際に、親名義の口座を登録した場合、今後、自治体が給付金を支給しようとしても、“名義が違う”と認識され、給付されないといいます。
立憲民主党・杉尾秀哉参院議員:「今、現在でどれくらい件数を把握していますか」
河野太郎デジタル大臣:「まずは、同一口座で違う名字の人を優先しようと、そちらを調査している。家族と思われるものは、今の段階で後回ししている。もう少々、お時間をご容赦いただきたい」
立憲民主党・杉尾秀哉参院議員:「家族以外の口座、赤の他人の口座も登録できることになりませんか」
河野太郎デジタル大臣:「まったく赤の他人の口座にひも付けができるか、それはできる。意図的にやれば、イレギュラーな操作のなかで、それはできます」
公金受取口座の登録画面には、確かに「本人名義に限ります」との文字があります。つまり、0歳の赤ちゃんであっても、本人名義の口座が必要ということです。
政府は、公金受取口座の登録をすれば、7500円分の「マイナポイント」を付与するキャンペーンを実施。マイナカードの申請総数約9700万件のうち、約5500万件(先月28日時点)で登録されています。
今回の事態について、政府からは、このような声が上がっています。
政府関係者:「赤ちゃんがマイナンバーを持ったりすること自体どうなのかなと。制度設計の時点で甘かった」
デジタル庁関係者:「子どもに、直接、何か給付する予定は当面ないから、すぐに実害はない。親に子どもの口座を開設しろと強制するわけにもいかないから『お願いします』としか言えない」
すでにさまざまなトラブルが判明しているマイナカード。5日、さらに本人の意思とは別に、“勝手”に「マイナ保険証」として登録されていたケースが5件あったことが明らかになりました。自治体の事務の誤りが原因だということです。
トラブルのなかでも最も件数が多いのが、マイナ保険証と別人のデータのひも付けです。
誤って他人にデータを登録したことが発覚した共済組合が取材に応じました。
地方職員共済組合兵庫県支部・飯塚知香子事務長:「正確な登録、正確なマイナンバーの連携を行うべきところ、結果としてミスが発生してしまったことは大変、申し訳ない」
兵庫県職員の保険組合では、先月、別人とひも付けする間違いが1件発覚。その経緯はこうでした。
新規加入者Aさんの個人情報を登録する際に「生年月日」を誤って入力。偶然にも、その誤った生年月日で同姓同名のBさんがいました。誤った生年月日でマイナンバーを照会したところ、Bさんが表示され、Aさんと「住所」は違っていましたが、気づかず、BさんのマイナンバーにAさんの個人情報をひも付けてしまったのです。
こちらの組合では、「氏名」「フリガナ」「生年月日」「性別」「住所」の5項目で、マイナンバーの照会をしています。照会をかけると、すべての項目が一致していなくても、例えば、「住所」だけが違っている人も候補としてあがってきます。その人物が本人なのかを見極めなければなりませんが、照会結果は、一度に数百人分が返ってくることもあるといいます。
地方職員共済組合兵庫県支部・飯塚知香子事務長:「(Q.一気に100件というときも目視で確認するのか)目視で出していただいた資料や、所属や本人への確認で作業する」
データの入力も、情報を突き合わせての確認も、すべて手作業。ひと月ほどの間で、5900人分の登録作業を行っているなかでのミスでした。
地方職員共済組合兵庫県支部・飯塚知香子事務長:「人員も時間も含め、正直きつかったということはある。手入力だとミスをゼロにするのは、本当に難しい。できるだけ手入力の排除、デジタル化がどこまでできるかが、今後の対策の一つになる」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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