ポンプ排水“間に合わず”一つの地区に浸水集中…『豪雨被害』想定外の事態も(2023年6月5日)

ポンプ排水“間に合わず”一つの地区に浸水集中…『豪雨被害』想定外の事態も(2023年6月5日)

ポンプ排水“間に合わず”一つの地区に浸水集中…『豪雨被害』想定外の事態も(2023年6月5日)

先週末の大雨は各地に大きな被害をもたらしました。そして、被災地では5日も、自宅などの片付けに追われる住民の姿がありました。取材で聞かれたのは「これまでの備えでは、もう間に合わない」という声でした。

5日は、沖縄よりも、関東の方が暑い1日でした。全国で一番暑かったのは、栃木県佐野市。最高気温は32.1度と、8月上旬並みの暑さとなりました。

男性:「例年より早いような暑さで、対策もしてなかったから、びっくり」

この関東の暑さは、被災地の住民には、つらいものとなりました。

井澤健太朗アナウンサー:「午後3時過ぎの取手市です。かなり湿度もあって、蒸し暑く感じます。その中で、住民が集まって片づけをしています。タンスや畳でしょうか。使えなくなってしまった家具などを運び出しています」

茨城県では、床上浸水451棟、床下浸水208棟の被害が出ましたが、そのほとんどが、取手市の双葉地区に集中しています。

自宅が床上浸水した、近藤美恵子さん(76):「(Q.今までは床上浸水はなかった)なかった。今回、床上(浸水)は初めて。残しておきたいものもあって。孫のところに、こんな料理を毎週作って持っていったとか。アルバムも下の方がベトベトになってて、アルバムなんかはもう駄目かな」

双葉地区は、牛久沼と小貝川に挟まれた場所にあります。しかし、今回、川の氾濫や越水などはありませんでした。平屋に住む、森川哲さん(42)は、避難できなかったといいます。

自宅が床上浸水した、森川哲さん:「金曜日の明け方、警告が鳴ったが、そのまま寝ちゃって。起きたら、そこの道路がもういっぱいになっていた。ここ(押し入れ)で妻と2人で避難していた。(Q.床上までくるのは)初めて。一応、救助隊が来てくれたが、高齢者が優先ということで、自分らはここに残りますってことで残った」

双葉地区は元々、田んぼだった場所で、水が溜まりやすいのですが、30年ほど前、2カ所に5台の排水ポンプを設置してからは、今回のような大きな被害はなかったといいます。

森川哲さん:「取手の“災害センター”に何回も問い合わせたが(排水の)ポンプは回ってます。徐々に引いていきますと言っていたので。自分らはここに避難せずにいた。そうしたら翌朝もまだつかっていた」

古くからの住民によると、排水は用水路に行われるといいます。

元取手市議・倉石進さん(80):「(Q.おとといはどんな状況)おとといは、こんな水が来てるので、吐き出してても、こっちから入ってしまう。雨がやんだから(水が)引くかと思ったが、さらに先まで来た。(Q.ここまでひどいことは)なかった。雨が降って多少はたまるけど、こういうポンプ造ってくれたから、スッと引いたけど」

この付近では、2日と3日の2日間で、平年の2カ月分にあたる量の雨が降りました。

先週末、6つの県で11回、線状降水帯が発生しました。近年、大雨被害の元凶となっている線状降水帯を含む、集中豪雨。気象庁気象研究所の研究によれば、1976年からの45年間の平均値で、増加の推移を調べたところ、約2.2倍に増えていることが分かりました。中でも7月は約3.8倍と、特に顕著です。今回の大雨では、1人が死亡、3人が行方不明となっています。

愛知・豊川市の、冠水していた国道151号沿いでは、水没で動けなくなった車が20台以上、放置されていました。市内の病院にも、濁流が流れ込みました。最大で30センチ程度まで、水につかったといいます。

総合青山病院・鈴木亜紀事務長:「外は胸の高さまであった。エレベーターが水没してしまったので、運ぶことができなくなり、階段で人を使って運んでいる。4日にやっと1機、エレベーターが復旧したところ。エスカレーターは復旧の見込みが立っていなくて、部品を取り寄せている」

レントゲン関係の機器や電子カルテにも支障が出ています。

鈴木亜紀事務長:「薬が一番困るので、最初に復旧させていただき、5日は検査とか、そのあたりを頑張って、どこまで電源取れて、復旧をしていくかというところ」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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