京都市 水道の「脱臭費」5億円超に急増 琵琶湖で異臭放つプランクトン増殖 対策費は3年前の3倍
財政難に苦しむ京都市に新たな難題です。その原因は、琵琶湖で異臭を放つプランクトン。飲料水を琵琶湖から引いている京都市は対策費用が急増し、関係者は頭を悩ませています。
私たちの生活に欠かせない水。近畿地方で1450万人の飲料水をまかなっている琵琶湖である異変が起きています。カビのような臭いの原因物質を作り出す植物プランクトンの発生頻度が琵琶湖で増えているというのです。
疏水から水を引き込み、飲料水の99%を琵琶湖の水でまかなう京都市。市によると、臭いの原因物質は1992年以降顕著な検出はなかったといいます。しかし、4年前に再び検出されるようになり、去年は水質基準の18倍という高い数値が検出されています。
京都市上下水道局の圓山貴久浄水係長
「水道原水に臭み成分が出た場合に、粉末活性炭を投入して臭みの除去を行っている。こちらで水と炭と混合する」
こうしたことから、飲料水の脱臭対策に使われる「活性炭」の経費が今年度は3年前の約3倍になる5億円以上に膨れ上がることに。京都市の今年度の水道料金の収入は、人口減少などによりピーク時より43億円減少する見通しで、脱臭の費用が増え続けた場合、水道料金を値上げする可能性もあるということです。
また、大津市でも、取水した水に「活性炭」を投入する経費が年々増加。去年度までの3年間で5千万円にのぼっているということです。
異臭の原因になっている琵琶湖の植物プランクトンを研究する専門家はーー。
琵琶湖環境科学研究センターの藤原直樹専門員
「(問題のプランクトンは)だいたい6月くらいが一番よく出てくる時期。けれども今、秋とか冬とか季節を選ばず頻繁に出てくることが起きている。温暖化などで暖かい時期が長くなる。あるいは雨の降り方が変わることで、水の流れと滞留のバランスがうまくいかない。そういうことも影響している可能性はあるが、まだはっきりとはわからない」
プランクトンがなぜ発生するか、原因はわからないまま。琵琶湖の水を利用する自治体は負担を強いられる状況が続く可能性があります。
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