“実家よりも実家に近い”施設「じじっか」 支え合い“貧困”からの脱却を【SDGs】|TBS NEWS DIG
シリーズSDGs「地球を笑顔にするウィーク」です。今回は貧困をなくす取り組みです。さまざまな境遇の家庭が集まり、助け合いながら貧困からの脱却を目指す施設を取材しました。
福岡県久留米市の支援施設「じじっか」。「実家よりも実家に近い」ほっと一息つける場所になればと、3年前に開設しました。
毎週末、訪れた親子に無料で食事を提供しているほか、施設まで来られない家庭には配達もしています。さらに、無料の習い事教室や職業セミナーなども行われています。
240世帯以上が登録している「じじっか」。きっかけは、シングルマザーが集まって団体を立ち上げたことでした。
「じじっか」を運営するumau. 中村路子副代表
「マジで金ない。ガス・電気・水道まで止まりよった」
umau. 樋口由恵さん
「携帯は毎月止まる」
umau. 中村路子副代表
「でも、しっかり働いているんですよ。働いても働いてもなんでか…」
交流を深めていくにつれ、お互いに、より深い悩みを打ち明けるようになったといいます。
umau. 樋口由恵さん
「食べるご飯がないとか、そういう話がちらほら出てきて」
umau. 中村路子副代表
「ひとまず(拠点となる)場所が絶対に必要だという確信のもと、ここができた」
ここで目指すのは、「貧困」からの脱却です。
umau. 中村路子副代表
「貧しさの根本となる原因みたいなものを自分たちで自覚することが悪循環から抜け出す方法じゃないかと思って、こういう“貧根”という言葉を使ってる。『じじっか』は安心して、(貧困だと)自覚していい場所」
「じじっか」では、みんなが大家族。
「きょうだいじゃないけど、『じじっか』の中ではきょうだい」
「買ってもらえない人もいるんだから、考えて出さないと」
多くの大人が見守るなか、子どもたちも自然と年下の面倒を見るようになり、社会性を身につけていきます。
「じじっか」を利用 能木明菜さん
「子育てに関して分からなかったら相談できたり、ちょっと楽ができる。『じじっか』があって、すごく助かっている」
「じじっか」には母親たちの意見から生まれた工夫が施されています。並べられた洋服やランドセルはすべて寄付されたもので、気に入ったものがあれば自由に持ち帰ることができます。
umau. 佐藤有里子代表
「出費を抑えてやりくりしましょうと、お店で買うような感じで、選んで持っていく楽しみに」
自治体からの助成金のほか、企業や個人からの寄付で支えられている「じじっか」。さまざまな境遇で暮らす親子が集まって支え合いながら、現状を変えようと前を向いています。
umau. 中村路子副代表
「大家族になって、みんなでアイデアを出しあって、困りごとを減らしていって、貧困も減らしていって、楽しく暮らせるようにする」
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