“退避”の邦人ら帰国の途に 「スーダンが気になる」複雑胸中(2023年4月28日)

“退避”の邦人ら帰国の途に 「スーダンが気になる」複雑胸中(2023年4月28日)

“退避”の邦人ら帰国の途に 「スーダンが気になる」複雑胸中(2023年4月28日)

 スーダンから退避していた日本人らを乗せたチャーター機はまもなく日本に向けてジブチを飛び立ちます。一方、長年スーダンを支援してきた日本人が複雑な境地を明かしました。

■“退避”の邦人ら帰国の途に

 建物や車が戦闘の激しさを物語っています。国軍と民兵組織の戦いが続くスーダン。そのスーダンから退避した日本人とその家族、48人を乗せたチャーター機は29日、日本に到着する予定です。また、外務省によると、新たにスーダンを出た日本人もいます。

 武井外務副大臣:「新たに退避を希望した在留邦人4人及び邦人の家族1人がカナダ政府の協力を受け、スーダンを出国、先ほどジブチに到着した」

 帰国する人たちのなかには複雑な気持ちを抱える人もいます。

 認定NPO法人ロシナンテス・川原尚行理事長:「スーダンがどうなっているんだろうとすごく気になって、そっちの心配の方が大きかった」

 20年近く、スーダンで医療活動などを行ってきた川原さんです。陸路でおよそ30時間。車を走らせ続けて首都のハルツームから東部の港湾都市ポート・スーダンまできた時、待っていてくれた人がいました。ハサバッラという小さな村の村長です。

■積み重ねた支援 スーダンとの絆

 認定NPO法人ロシナンテス・川原尚行理事長:「とても困っているところがあるから助けてくれと言われ、連れて行かれたのがシェリフ・ハサバッラ村。我々の原点だと思っています」

 その村は川原さんたちが活動の初期、医療や井戸の改修、学校の建設などの支援をした場所です。

 認定NPO法人ロシナンテス・川原尚行理事長:「村の人たちの冠婚葬祭に顔を出せと言われた。村の人たちと喜びも悲しみも分かち合う形で過ごしてきた。もう家族、お互いそんな感じで」

 政情不安のなか、村を訪れることができない時期も10年ありました。それでも村長のハサンさんは川原さんの帰国を知り、遠く離れたポート・スーダンまで来たのです。

 認定NPO法人ロシナンテス・川原尚行理事長:「ハサンはバスで、バスを乗り継ぎ、ヒッチハイクしながら行ったと思う。いや、もう多分10年以上会っていないと思う」

 ハサンさんが来たのは川原さんが置いていこうとしていた車を預かるため。川原さんがまたスーダンに戻って来るのを待つためです。川原さんもまた、ハサバッラ村での活動を目指しています。

 認定NPO法人ロシナンテス・川原尚行理事長:「スーダン政府がどうなるか分からないので、願わくは良い形で民主化になって日本人が訪れることができる、そういった村に日本とのつながりがある村みたいなことができたら良いと思う」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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