“ハマのマイケル”“段ボール箱投げ”も…休日は1万人超 「ハマのアメ横」人気の秘密【Jの追跡】(2023年4月23日)
横浜駅から3つ目の天王町駅から徒歩約8分のところに“ハマのアメ横”と呼ばれる、横浜の超人気商店街があります。
「ハマのマイケル」や「段ボール箱投げ」と言った名物パフォーマンスも見どころです。
値上げに負けない“ハマのアメ横”。その人気を追跡しました。
■「ハマのマイケル」の“ブリ解体ライブ”
最寄りの駅からも遠く、アクセスが悪いにもかかわらず人気の「松原商店街」。およそ200メートル四方のエリアに野菜、鮮魚、肉、惣菜から衣料品まで60のお店が並びます。
コロナ禍で、一日5800人程度まで落ち込みましたが、今では、休日になると1万人を超えるお客さんが訪れます。
商店街を歩いてみると、ひときわ声が聞こえてくるお店があります。
お客さんであふれかえっていたのは、創業72年の老舗「魚幸水産」。アジが1匹100円、小鯛が1匹400円など「新鮮な魚が激安!」と評判のお店です。
常連客:「新鮮だし、安いし。良いよね」
実は、この「魚幸水産」には、話題の達人がいるといいます。
流れてきたのは、マイケル・ジャクソンの曲。何かの準備をする、派手ないで立ちの男性は、自称「ハマのマイケル」茂田井幸利専務。
多くのお客さんが見守るなか始まったのは、「ハマのマイケル」による“ブリの解体ライブ”です。
茂田井専務:「良いブリだ」「きょうは氷見(富山産)だ」「まねしないように」
「ハマのマイケルの大ファン」だという親子がいました。
茂田井専務:「何が食べたい?」
親子:「きょうプラレールで、回転ずしをやろうかと」
茂田井専務:「いいんじゃねえか」
ブリは、その場で切り身に。お値段は、1皿500円。
茂田井専務:「やっぱり魅力をつけないと。魅力、魅力、魅力」
見た目は、ちょっと怖そうですが、子どもたちにも人気です。
人気の理由が、もう一つあります。
欲しい量を言うと、それに応じて柵にしてくれる天然のメバチマグロの量り売り。ちなみに、こちらが2000円分、およそ500グラムの赤身です。
常連客:「ここは、もう毎週。土曜日必ず」「居酒屋を経営していて、40年近く来てる。(味は)バッチリです」
魚の良さと安さのカギを握るのが、マイケルの兄・社長の茂田井幸弘さんです。
午前3時半、横浜市中央卸売市場。
茂田井社長:「最高だよ、これ」
茂田井社長は、自ら毎朝市場へ。仲卸を通さないことで、その分安く仕入れているといいますが、昨今の物価高騰のなか、魚の仕入れ値も、どんどん上がっているといいます。
茂田井社長:「(Q.その中で工夫していることは?)やっぱり安く買うことだけ、市場に来たら。市場に来たら良い人じゃだめ。品物を見る目と相場感(を読み取る)。少しでも安く買わないと」
「魚幸水産」の安さの裏には、鮮魚のプロの毎日の戦いがありました。
■人気の秘密は…“夫婦のこだわり”創業48年
食べ歩きにピッタリの絶品グルメも人気です。
たい焼き、中にはなんとポテトサラダが入っています。さらに、大人気というパンの具材は、マヨネーズであえたキャベツと荒く砕いたポテトチップスです。
地元の人に大人気の名店があると聞き、やってきたのはビルの奥。一番奥にもかかわらず、屈指の人気店。夫の遠藤一己店主(68)と、妻の絹子さん(68)が営む創業48年の「肉のえんどう」です。
こだわりは、厳選した黒毛和牛など「良いものをより安く」です。
絹子さん:「今は一番売れているのは、このビーフハンバーグ」
A5・A4ランクの黒毛和牛を贅沢にミンチにして、一つひとつ手作りです。
遠藤店主:「1週間で2000個作ってる」
絹子さん:「それでマッサージ通ってるんだよね」
遠藤店主:「こいつのためにマッサージ」
毎朝5時からハンバーグの仕込みをしている遠藤さん。およそ20年作り続けています。
遠藤店主:「『おいしいよ』って言われると、味落とせないから」
肉汁たっぷりの極上の味わいなのに、5枚セット、1枚あたり220円という驚きの安さです。
常連客:「肉々しい感じで」「すごくおいしい。安いし」
そして、絹子さん担当は、自慢のもつ煮。甘味のある豚モツと歯ごたえのある牛モツを使うことで、色んな味が楽しめる一品です。
店内で気になったのが、お客さんに見せていた謎の紙。実はこれ、お客さんに無料でプレゼントしている絹子さんオリジナルのレシピです。
常連客:「ロールキャベツのレシピで料理して、2回ともそのレシピでやって好評だった、子どもに」
10年以上前から作り続け、その数50種類に。夫婦のこだわりが人気の秘密です。
■投げる、さらに投げる…名物「段ボール箱投げ」
この商店街で“名物パフォーマンス”となっているが、外川商店の見事な「段ボール箱投げ」。所せましとお得な野菜や果物が並ぶ人気店です。
常連客:「ウチ、いっぱい野菜食べるので助かる」
段ボール箱を投げる、さらに投げる。場所がないため、とりあえず屋根に置いているそうです。
そして溜まった段ボールは閉店後、片付けます。この光景も商店街の「名物」です。
■ピンチをチャンスに…コロナ禍以降は人気急上昇
一方、コロナ禍以降、人気急上昇のお店があるといいます。
豚の角煮弁当や大ぶりの銀だらの西京焼きの弁当などが500円。
さらに、ウナギや、サーモンとイクラの塩こうじ漬けなどが入った行楽にもぴったりな豪華海鮮弁当「洪福弁当」は、なんと800円です。
常連客:「ほとんど、毎日来てる」
お弁当を買った男性に付いていくと…。
常連客:「500円で、このクオリティーは無いですよ。きょう、銀ダラ弁当か唐揚げ弁当か悩んで、唐揚げにしたんですよ。最高です!」
実は、この店、元々は子持ち昆布で国内シェアトップクラスの名店。お弁当を作り始めたのは、コロナ禍でお客さんが激減したのが、きっかけだといいます。
マーケティングイン谷屋 谷屋一好会長(77):「ここじゃなきゃ買えない。よそで売っていないというものをどんどん考えて創作していこうと」
“ピンチをチャンスに”と、始めたのが惣菜やお弁当の販売。総勢6人の従業員で、20種類以上のお弁当やお惣菜をすべて手作りで提供。
お弁当に必要な食材の調達には、自信があったといいます。
谷屋会長:「実は、子持ち昆布を通した中で知り合っている会社が、いっぱいある」
子持ち昆布で培ってきた独自の販売ルートを使い、様々な食材を全国から安く仕入れることができたといいます。
横浜のレジャースポット松原商店街。安く、楽しく、そして人と触れ合えるワンダーランドでした。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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