スーダン 日本人退避へ…カギは“仲介役”(2023年4月22日)

スーダン 日本人退避へ…カギは“仲介役”(2023年4月22日)

スーダン 日本人退避へ…カギは“仲介役”(2023年4月22日)

アフリカ・スーダンで続く国軍と民兵組織・RSFの戦闘。両軍は72時間の停戦に合意し、その間に民間人などを退避させようと日本をはじめ欧米諸国が動きだしています。しかし、停戦合意した後も散発的な戦闘が続く中、日本人の退避はどうなるのか、スーダン取材の経験もあるジャーナリスト・柳澤秀夫さんと見ていきます。

板倉)
合意した停戦期間も、残り39時間36分(日本時間 土曜日 午後9時23分現在)あるんですが、こうした状況の中でも、スーダンの首都・ハルツームなどでは、戦闘が続いているという状況なんですが、柳澤さん、民間人の退避の間の停戦というのも難しいのでしょうか?

柳澤さん)
停戦状態とはいっても、いつ崩壊してもおかしくないんですよね。ですから、この停戦状態をいかに長く継続できるかという事が、今の時点で最大のカギだと思います。

板倉)
今、スーダン国内には、日本人がおよそ60人いるということなんですが、その日本人の退避に向けて、自衛隊の輸送機がジブチへと向かっています。日本以外にもアメリカやドイツ、フランスなども自国民の退避を計画しているということです。すでに退避を実現させている国もあるんです。隣国エジプトです。エジプトは自国の兵士を退避させることに成功しています。この退避の背景には、民兵組織・RSFと関係が深いとされるUAE=アラブ首長国連邦が仲介役を担っていたということです。他にもスーダン国軍の発表によりますと、サウジアラビア国民も退避させているということなんです。このサウジアラビア、UAE、エジプトといった国というのは、スーダン国軍であったり、RSFと関係が強い国だということで、東京大学大学院の遠藤教授によりますと、「退避には国軍に近いエジプト。RSFに近いUAE、サウジアラビアなどが協力して仲介することに、期待したい」と話していました。

高島)
まず、こうした隣国の協力を仰ぐということから、という感じなんでしょうか。柳澤さんはスーダンにも取材に行かれたこともあるそうですが、日本人の退避について、どう見ていますか?

柳澤さん)
とにかく停戦時間を少しでも長引かせて、事態鎮静化の糸口を見出すということなんですが、関係する国がどこまで協力してくれるか、ということになると思うんです。当面は空路による脱出を考えているということんですが、場合によっては陸路という話もあるんですが、実は地図を見ると、首都ハルツームから東のほうは、砂漠地帯なんですよね。それで例えばジブチから、エチオピアを経由してと言っても、エチオピアは高地が多いんですよ。国土の平均の標高というのが大体2000メートル超えてるんですよね。そうすると簡単にここで陸路を通ってハルツームにっていうことも難しい。しかもハルツームにいる邦人60人が1か所に集まっているわけではなくて、分散しているということになると、どこかに集まってもらわなければいけない。それが難しいとなれば、ピックアップしなきゃいけない。そんな陸上での複雑なオペレーションをそう簡単にはできないということですよね。

高島)
いま停戦の時間を40時間切っていますけれど、まずはこの停戦の期間を長く継続させる。そこが第一歩ですね。

柳澤さん)
半日でも一日でもとにかく長く継続させることが全てのカギだと思います。

高島)
各国がいろいろなルートを駆使して、何とか無事に、民間人の安全な退避を実現させてほしいと願うばかりです。

サタデーステーション 4月22日OA
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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