【事件の一部始終】岸田総理演説先で爆発 24歳男逮捕(2023年4月15日)

【事件の一部始終】岸田総理演説先で爆発 24歳男逮捕(2023年4月15日)

【事件の一部始終】岸田総理演説先で爆発 24歳男逮捕(2023年4月15日)

(テレビ朝日アナウンサー・仁科健吾)
「午後8時半です。事件発生から、およそ9時間が経過しました。現在も規制線の前には報道陣がカメラを向けています。そして規制線の中では警察官が待機していて、重々しい雰囲気となっています。」

事件からまもなく10時間が経ちますが、現場では今も広い範囲で規制線が敷かれ、捜査関係者が慌ただしく動いています。

(現場にいた人)
「(容疑者は)取り押さえた時も終始無言だった。ずっと無表情でしたね。全く抵抗してなかった。」

事件の一部始終をカメラがとらえていました。

悲鳴がこだまする中、メガネをかけている黒い服の男を、近くにいた人たちが取り押さえています。きょう午前11時30分ごろ、岸田総理が衆議院補欠選挙の応援演説で訪れていた和歌山市で事件は起きました。取り押さえられている男の周りに、人が集まってきて、皆、その様子をスマートフォンで撮影しています。

「下がって、下がって…」

SPでしょうか?集まっている人たちに離れるよう、指示しています。集まっていた人たちが離れた、その時でした…。

「爆発音」

大きな爆発音がして、白い煙があがっています。

「離れて、離れて…」

取り押さえられていた男は、数人の男性に引きずられながら、現場から離れていきます。観念したのか、男は抵抗することなく目を閉じているようにも見えます。

威力業務妨害の疑いで現行犯逮捕されたのは木村隆二容疑者、24歳です。

(目撃者)
「もう怖かったです。爆発音が1回した時に、自分ら奈良の事件みたいに死ぬのかなと思いました。」『ちょうど私の真上ぐらいをパーっと通ってパーンって演台と私の間にポトンと落ちたのが爆弾みたいな銀色の筒が投下されて』

きょう岸田総理が、事件現場となった和歌山市の漁港に姿を見せたのは午前11時17分。到着すると、笑顔で関係者らと握手をしていく岸田総理。関係者や警備スタッフに囲まれながら、歩いていきます。警察によると、およそ200人の聴衆が集まったといいます。

現場に到着してから5分後…、岸田総理は地元の漁港でとれた魚を食べ、笑顔を見せていました。

午前11時26分、再び移動する岸田総理。有権者と握手をしながら、進んでいく隣で、耳にイヤホンをしたSPが周囲に目を光らせています。

この時、映像をよく見てみると、岸田総理が歩く方向へ集まった人たちが近づいていく中で、シルバーのリュックを背負った木村容疑者も近づいていくのが確認できます。その手には、何やら白いものを持っているのもわかります。この1分後に、事件が起きたのです。

(目撃者)
『男が投げてすぐに取り押さえられてその後10秒後くらいに爆発音がしてそのまま僕の横を何かが飛んで行った』

岸田総理が演説場所に立った時、聴衆からは背を向け、関係者と話していました。この時、岸田総理と聴衆の間には、距離は保たれているものの、遮るものはなく関係者や警備スタッフは、両脇に立っていました。小さな音がして、岸田総理も驚いた様子で、後ろを振り返りました。

これは別の角度から撮影された映像です。画面右上から筒のようなものが飛んできているのが確認できます。

別の映像では…、筒状のものは、岸田総理のすぐ後ろに落ちていたことがわかります。

(岸田総理の近くにいた雑賀崎漁業組合・濱田光男組合長)
「ちょうと最前列にいたんですよ。ちょうど黒い筒みたいなのが前に飛んできて、端っこの方がチカチカ光っていた。」「落ちた瞬間に煙が出て、その煙が火薬のにおいがしたので、“こりゃ爆弾や”ってみんな先生らも、岸田総理も逃げてね」

筒のようなものが飛んできた直後、岸田総理の元に、SPが駆け付け、防弾仕様とみられるカバンを広げています。投げられた筒状のものからは煙が上がっていて、その奥には岸田総理や関係者が離れていく様子が映されています。

怒号と悲鳴が入り混じる中、木村容疑者が取り押さえられます。木村容疑者の左手にはシルバーの筒のようなものが、そして右手には黒いものを持っていて、何やら押すような仕草も確認できます。木村容疑者が取り押さえられている様子を、集まった人たちが、スマートフォンなどで撮影しています。

「誰かが取り押さえられている。」「下がってください。」

筒のようなものが岸田総理の近くに飛んできてから52秒後…

「爆発音」

激しい爆発音とともに、先ほど岸田総理が立っていた場所から、白い煙があがっています。集まっていた聴衆が、逃げ惑う様子が映し出されています。

(現場に居合わせた人)
「瞬間は理解できなかったが、がやがやとなったので逃げるような形、地響きするようなドンっていう低い音。」

木村容疑者は引きずられるようにして連れていかれます。

(目撃者)
「爆発した後に引きずられていったので、気が付いたら木村容疑者が下に倒れていた。羽交い絞めになっていたので、気が付いたら10人くらいで(木村容疑者の)上に乗っかっていた。」

取り押さえられた木村容疑者は抵抗する様子はなく、警察の問いかけに反応しているのか?首を左右に動かす場面も…。そこへ警察が、木村容疑者の肩を2度、叩きました。駆け付けたパトカーに乗り込む木村容疑者。

「パトカー通りますので下がってください。」

木村容疑者は現場近くの和歌山西警察署へと連行されました。今回の事件では、30代の警察官1人が手首を縫うケガをしましたが、岸田総理や聴衆にはケガはありませんでした。

この時の演説は中止となりましたが、事件から、およそ1時間後には岸田総理は和歌山駅前で演説を行ないました。

威力業務妨害の疑いで現行犯逮捕された木村隆二容疑者24歳。なぜ犯行に及んだのでしょうか?サタデーステーションは木村容疑者の素顔を知る同級生に話を聞くことができました。

木村容疑者の小・中学校の同級生
「社交的で元気ってイメージですね、同じ小学校だったので一緒にやっていましたよ、サッカーは…」

明るい性格で小学校時代はサッカークラブに入っていたという木村容疑者。ゲーム好きで、料理も得意だったと云います。しかし、中学生になると…

木村容疑者の小・中学校の同級生
「中学校のころから出たくない授業みたいな音楽の授業があって、その日だけ学校に来なくなっちゃってそれがきっかけで、中学校でいじめられ始めちゃって性格がすごく内気というか内向的になったんだなと」

この同級生によると、木村容疑者は両親との関係も悪く、不満を漏らしていたといいます。

木村容疑者の小・中学校の同級生
「放置って感じだったと思いますね、なんか呆れているというか、そういうテンションだったと思います(事件について)こんなこともあるんだなと思いました」

一方、岸田総理は爆発事件からおよそ5時間後の15日午後4時40分ごろ、千葉県の新浦安駅前に移動していました。和歌山の応援演説では岸田総理が聴衆に背を向けたタイミングを狙って爆発物が投げ込まれていました。千葉での応援演説では…

伊平晃司記者
「ここから先が演説会場になっていますがここから先は行き止まりになっていけないようになっています」

会場は人が近づけないようバリケードが置かれ、付近に不審なものがないか警察犬も導入。また死角となる背後も、厳戒態勢が敷かれていました。16日も予定通り、大分で応援演説をするそうです。選挙の応援演説先で起きた爆発事件。松野官房長官は…

松野官房長官
「選挙は民主主義の根幹をなすものであり、そのような選挙の中で暴力行為は断じて許されません
 警察庁に対しては私からも要人警備の徹底を図るよう指示をいたしました、動機背景は証拠等によるものでありますから警察の捜査を待ちたいと思います」

立憲民主党の泉代表は…

立憲民主党 泉健太代表
「まずは岸田総理がご無事だったということで安堵しています。改めて政治家活動の場においてですね
 そういった危害が加わり兼ねない重大な爆発事件というのは許されないことであって、県警が迅速に対処されたと思いますが、こういうことは絶対に許してはならない」

他の野党からも…

日本維新の会 馬場伸幸代表
「国民の民意を発揮していただくそういう場ですね、暴力による民主主義の否定ということが起きることは絶対に許せないと思います」

国民民主党 玉木雄一郎代表
「かかる暴挙は民主主義の根幹を揺るがす行為であり、絶対に許されない、テロにいかなる理由も正当性も与えてはならない」

共産党 志位和夫委員長
「暴力行為を強く非難する、総理が無事でよかった、けが人がないことを願う」

政治家女子48党 齊藤健一郎代表
「選挙真っ只中に暴力で言論を封殺するようなことは絶対に許されない」

木村容疑者は警察の取り調べに対し黙秘しています。なぜ和歌山に来たのかは今のところ分かっていません。

木村容疑者の供述
「弁護士が来たらお話します」

サタデーステーション 4月15日OA
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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