【フィンランドNATO加盟】安保環境の激変に“戦術核”対ロ抑止は?◆日曜スクープ◆(2023年4月9日)

【フィンランドNATO加盟】安保環境の激変に“戦術核”対ロ抑止は?◆日曜スクープ◆(2023年4月9日)

【フィンランドNATO加盟】安保環境の激変に“戦術核”対ロ抑止は?◆日曜スクープ◆(2023年4月9日)

北欧の安全保障を巡る環境激変に、ロシアの脅威が高まる。ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、フィンランドは昨年5月、北大西洋条約機構(NATO)の加盟申請を行い、1年足らずのスピードで全加盟国の承認を受けた。フィンランドは4日、正式にNATOに加盟、31カ国体制が始動し、歴史的な節目を迎えた。フィンランドは、軍事的中立の国防政策を柱に据えてきたが、ロシアのウクラナイナ侵攻を受けて方針を転換した。フィンランドのニーニスト大統領は5日、「フィンランドでは軍事的中立の時代が終わり、新しい時代が始まる」と宣言した。

NATO加盟国とロシアの国境は約250Kmに倍増したために、フィンランドとロシアは国境防衛に際して、両国が軍事力増強を図り、安全保障上の戦略再構築が必要となる。ロシア西側に位置するバルト海には、同国第2の都市・サンクトペテルブルク、飛び地のカリーニングラードが面している。バルト海を挟んでフィンランドがある。東大先端研の小泉悠氏は「NATO加盟によりロシア海軍は、バルト海の出口が封鎖されることも予想される。カリーニングラードとサンクトペテルブルグの艦隊の往来が分断される」と指摘する。また、北極海に面したフィンランド付近には、ロシア北方艦隊が所属する軍管区司令部が配置されているため、少なからず、ロシアの制海権にも影響を与える可能性がある。

NATOは欧州の安全保障の要として長い歴史を有する。1989年にソ連崩壊前のNATO加盟国は、ドイツやフランスなど16カ国で、第1次東方拡大と称された。1999年にはポーランドやチェコスロバキアなど3カ国が加盟した。2004年には第2次東方拡大といわれる動きがあり、エストニアやラトビアなどのバルト3国や東欧諸国の7カ国が加わる。2009年以降にも、アルバニアやクロアチアなど4カ国、今回のフィンランド加入によりNATOは31カ国体制となった。フィンランドの正式加盟について、NATOのストルテンベルグ事務総長は「プーチン大統領はロシア国境でのNATOの存在を減らし、欧州でNATO加盟国をこれ以上増やさないことを、ウクライナ侵攻の目的として挙げていた。しかし、ウクライナ侵攻によって正反対の展開になった」と述べた。

★ゲスト:廣瀬陽子(慶応義塾大学教授)、小泉悠(東大先端研専任講師)
★アンカー: 杉田弘毅(共同通信社特別編集委員)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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