消息絶ったヘリの救命ボート見つかる 師団長ら不明10人の手掛かり得られず(2023年4月7日)

消息絶ったヘリの救命ボート見つかる 師団長ら不明10人の手掛かり得られず(2023年4月7日)

消息絶ったヘリの救命ボート見つかる 師団長ら不明10人の手掛かり得られず(2023年4月7日)

 陸上自衛隊の師団長を含む10人を乗せたヘリコプターが消息を絶ってから24時間を超えました。このヘリは、レーダーから消えるおよそ2分前に、宮古島の西側の下地島にある空港の管制と交信していたということです。

■“2分前”に管制交信 捜索続く

 7日朝、浜田防衛大臣は沈痛な面持ちで報道陣の取材に応じました。

 浜田防衛大臣:「私から救助等の対応に全力を挙げること。情報収集を徹底し、状況の把握に努めること等について指示し、事件発生当初から夜を徹して現場周辺の捜索を行っておりますが、機体に搭乗していた第8師団長・坂本陸将ほか、9名について現在も発見に至っておりません」

 10人が乗る陸上自衛隊のヘリコプターが消息を絶ったのは6日の夕方です。

 森下泰臣陸上幕僚長:「15時56分ごろ第8飛行隊所属のUH60JAが航空偵察のため、宮古島周辺空域において飛行中のところ宮古島北北西洋上においてレーダー航跡が消失しました。搭乗員は10名。操縦士2名、整備士2名、搭乗員6名です」

 10人が乗っていたのは多用途ヘリコプター「UH60JA」、通称“ブラックホーク”です。陸上自衛隊によると、ヘリコプターが飛び立ったのは沖縄県宮古島の陸上自衛隊宮古島分屯基地。午後3時46分に離陸し、午後5時5分に基地に戻ってくる予定でした。ところが、出発から10分後の午後3時56分、伊良部島の北方で機体はレーダーから消えました。陸上自衛隊関係者によると、その2分前には宮古島西側の下地島にある空港の管制と交信していました。

 浜田靖一防衛大臣:「事故発生当日、4月6日は自衛隊の航空機4機、艦艇3隻のほか、海上保安庁の巡視船による捜索を実施したところ、午後6時24分ごろ海上保安庁の巡視船が航空機の機材と思われるものを発見しました」

■ドアやボート “機体の一部”発見

 機体の一部などと見られる漂流物は6日の午後6時24分以降、ヘリコプターが消息を絶った海域で複数見つかっています。回収したもののなかには「陸上自衛隊」「救命浮舟1号」と書かれた袋状のものもあります。陸上自衛隊は7日午前、これが消息を絶ったヘリコプターに積まれていた救命ボートだと確認されたと発表しました。また、海上保安庁によると、7日の未明には「陸上自衛隊」と書かれたドア、そして回転翼のブレードを発見し、引き揚げたということです。
 
 浜田靖一防衛大臣:「本日から捜索のための陸上部隊を初動の20名から200名以上の規模に大幅に増派するなど捜索、救助の体制をさらに強化している。引き続き海上保安庁とも連携しながら捜索、救助に全力を尽くしてまいりたい」

■第8師団長 九州南部担当“5000人”所属

 ヘリコプターには部隊のトップも乗っていました。

 森下泰臣陸上幕僚長:「搭乗員には第8師団長陸将・坂本雄一が搭乗していた」

 坂本雄一陸将は先月30日、第8師団の師団長に着任したばかりです。

 第8師団長・坂本雄一陸将:「中国、北朝鮮、ロシアに囲まれて極めて厳しい安全保障環境にあると言える」

 森下泰臣陸上幕僚長:「(Q.第8師団長、自らが搭乗していた理由)航空偵察で宮古島周辺海域を偵察していた。部隊の運用上、自分の部隊を訓練するためにも指揮官が搭乗して航空偵察することは実施をしている。通常です」

 師団長というのはどういう立場なのでしょうか。

 軍事ジャーナリスト・黒井文太郎氏:「実質的なランク付けで言うと、陸上幕僚長、陸上総隊司令官、方面総監、師団長。陸上自衛隊の部隊を全国で15個の師団と旅団で分けていて、(師団長は)担当エリアの自衛隊のトップ」

 第8師団は九州南部の防衛警備を担当し、およそ5000人の隊員が所属しています。

 軍事ジャーナリスト・黒井文太郎氏:「南九州なので特に南西諸島・沖縄エリアへの有事の際の展開が最初から想定されている」

■「直前に中国軍艦が通過」関連は

 立憲民主党・玄葉光一郎議員:「中国の軍艦が直前に沖縄・宮古島間を通過していることとの(今回の事故との)関連性は絶対にないということでよろしいですか」

 浜田靖一防衛大臣:「今のところ、私のところに報告の入っているところには、今のところ入っておりませんし、また色々な情報収集しながらやっていきたいと思いますが、今ここで確たるものを話すことはちょっと差し控えておきたいと思う」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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