「バチ当たり」善光寺で盗難“びんずる尊者像”…松本市内で発見 熊本の男逮捕(2023年4月5日)

「バチ当たり」善光寺で盗難“びんずる尊者像”…松本市内で発見 熊本の男逮捕(2023年4月5日)

「バチ当たり」善光寺で盗難“びんずる尊者像”…松本市内で発見 熊本の男逮捕(2023年4月5日)

 長野市の善光寺で盗まれた、なでるとご利益があるとされる「びんずる尊者像」。この木像が見つかったのは現場から約60キロ離れた松本市内で、逮捕されたのは熊本県に住む34歳の男でした。

■“なでるとご利益”現場に鑑識

 国宝に指定される善光寺本堂の入口付近で参拝者を迎えているのが「賓頭盧尊者像(びんずるそんじゃぞう)」。お釈迦様の16人の弟子の一人の賓度羅跋ら惰闍(びんどらばらだじゃ)で、「びんずるさん」と呼ばれて親しまれています。

 事件が発覚したのは5日午前8時半ごろ…。

 通報:「びんずるさんが盗まれました」

 「びんずる尊者」が安置されていた台座には座布団だけが残され、木像は持ち去られていました。「体の悪い部分と同じ所をなでると治る」とされ、1715年以来、300年以上も「なで仏」として参拝者に触れられてきました。

 毎年1月6日に行われる新年行事「びんずる廻し」。白いさらし布をまとったびんずる尊者は関係者に抱きかかえられ、約30人の参拝者が台座につながった綱をゆっくり引いて回ります。その後、「福杓子(ふくしゃもじ)」が配られ、なでたしゃもじでご飯を食べると1年間、病気やけががないと言われています。ちなみに、ミシュランガイドでびんずる尊者は三つ星の評価を得ていました。犯人は何の目的で木像を盗んだのでしょうか。

■防カメに“袋に入れる”不審人物

 参拝者:「え?本当に?それでいるの?警察の人たち。あんなの盗む人いるの?そんな悪いことする人いるんだ」「まさかそんなことがと思って来たら、今見て来たらないもので、本当に鳥肌が立つくらいびっくりした。大事な長野の宝なのに涙が出るくらいびっくり。罰当たりってレベルの話じゃないでしょ」

 善光寺の関係者によりますと、5日午前8時すぎ、防犯カメラに不審な人物が映っていたそうです。

 善光寺・林明晋寺務総長:「経緯としては(容疑者が)長い時間ずっと観察していて、人員が手薄になるところを狙って1人で抱えて持って行った。間隙(かんげき)を縫って盗まれたので、その後、『ないじゃないか』ということ。(犯行から)30分くらいで気が付いて、すぐ警察に通報となった」

 また、防犯カメラにはびんずる尊者を袋に入れて持ち去ってく様子なども撮影されていたといいます。

■“60キロ”先で発見…熊本の男逮捕

 警察が捜査していたところ、善光寺から約60キロ離れた松本市内で似た男を発見し、走行中の車を止めて職務質問。すると、車内から木像を発見したということです。

 盗難から約3時間後の午前11時ごろ、窃盗の疑いで熊本県御町に住む職業不詳・森本晋太郎容疑者を逮捕しました。容疑については認めているということで、見つかった仏像に目立った損傷はないそうです。

 逮捕現場の付近で働く人:「(警察の)言い方としては『泥棒を捜していて見つけたから、たまたまここの敷地へ駆け込んだのでしばらく封鎖させて下さい』」「(Q.容疑者は抵抗する様子は?)全然そういった感じはなくて、警察に促されるまま車に乗っていく感じだった」

 現場から押収された熊本ナンバーの黒い乗用車。この車で、びんずる尊者を運んだのでしょうか。木像の発見が伝えられた善光寺は…。

 善光寺・林明晋寺務総長:「県警のご尽力で犯人(逮捕)及び、びんずる尊者像の無事が確認された。こういった顛末(てんまつ)に至りまして、善光寺側の不備というか防犯対策の方は人員配置見直し、防犯カメラ増設など検討中。そういったことで今後は対応してきたい」

 参拝者:「安心できますね、皆の宝なので盗まないようにしていただきたい」

 近所の店の人:「盗んでどうするってこと。一番、罰当たりのことをした」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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