再配達に現場が悲鳴 政府も再配達削減を呼びかけ・・・荷物が運べなくなる?物流「2024年問題」とは?【news23】|TBS NEWS DIG

再配達に現場が悲鳴 政府も再配達削減を呼びかけ・・・荷物が運べなくなる?物流「2024年問題」とは?【news23】|TBS NEWS DIG

再配達に現場が悲鳴 政府も再配達削減を呼びかけ・・・荷物が運べなくなる?物流「2024年問題」とは?【news23】|TBS NEWS DIG

4月から宅配便の料金が値上げされます。背景にあるのはドライバー不足。そして現場の大きな負担となっているのが「再配達」です。都内の配送会社を取材すると“不在になりやすい荷物”が見えてきました。そして、今、懸念されているのが物流の「2024年問題」。2030年に約35%の荷物が運べなくなるとの推計も示されています。

■再配達が3割…配達ドライバーの悲鳴

東京・府中市にある配送会社。

デリバリーサービス株式会社 志村佳祐さん
「奥に並んでいる荷物、壁際にある荷物はほとんどが不在の荷物」

今、配送の現場で負担となっているのが“再配達の荷物”です。

デリバリーサービス 志村さん
「基本的にはドライバーのほうで、3度周りとかするんですけど…」

実際、どれくらい再配達となる荷物があるのでしょうか?
配送は時間との闘い。多くの荷物を運ぶために走って一軒一軒まわります。

最初の荷物は無事届けることができましたが、2軒目でいきなり・・・

「不在です」
「こんなもんですね。午前中だから落ちる(届けられる)とは限らないので」

比較的在宅率の高いという午前中ですが、次の3軒目も不在。志村さんは荷物を抱えながら不在票を書き、郵便受けに投函しました。

「(不在票を書くのも)やっぱり1~2分かかってきます。件数が多ければ多いほど1~2分がかなり貴重になってくるので」

コロナ禍でネット通販を利用する人が増え、荷物は増え続けています。2021年の宅配便の件数は49.53億個。
そもそもドライバーへの負担が増えているのです。

その後も不在が続き・・・

「多分在宅しているんですけど、お子さんだけしかいない。『出ちゃダメだよ』って言われているパターンかもしれません」
「そういう時はあまり粘らず、大人しく引き下がって再配達を待つ形で対応」

大きな組み立て家具を運ぶ志村さん。配送ドライバーにとってありがたいのが・・・

「宅配ボックスに入れちゃいました。ゴルフ用のやつがあるんですよ。それで入っちゃうこともあるので」

■「置き配OK」でも…「もう人海戦術しかない」

一方で、やっかいな荷物もあります。

水はストックとして買う人が多く、今すぐに必要というわけではないため、不在になりやすいといいます。

「30キロ強ぐらいですかね。しかもこれ、5階上げなんですよ。なので一番最初にとりあえず在宅確認してから、という感じになる」

水を1階まで運んだ志村さん。走って5階までいき在宅確認をします。そして降りてくると・・・手でOKサイン。不在になることが多い“水”で、なぜ届けることができたのかと言うと・・・。

志村さん
「今のお客さんは『置き配OK』という札があったので」

「置き配OK」の表示は”とてもありがたい”といいます。結局この日は午前中3時間ほどの配達で19件中、6件が不在。約3割が再配達となりました。

「再配達(の時間指定)って、午前中と18時以降に集中してきますので、拘束時間が延びる影響になってしまう」
「再配達を減らせれば一番いいんですけど、それが難しいようでしたらやっぱりもう人海戦術しかない」

政府は4月を「再配達削減PR月間」と位置づけ、「置き配」や「まとめ買い」などの対策を提案。利用者に協力を求めています。

■荷物が運べなくなる? 物流業界の「2024年問題」とは?

小川彩佳キャスター:
もう本当に頭が下がります。私達は便利すぎる世の中に慣れすぎてしまったんだなと痛感します。こうした運送業者の皆さんの負担をどう減らしていくかですね。

NEWSDIG 久保田智子 編集長:
実は物流業界では「2024年問題」というのがクローズアップされているんです。この2024年問題はどういうものかというと…まず狙いはトラックドライバーの労働環境の改善なんですね。

どういうことかといいますと、トラックドライバーの皆さん時間外労働されていて、現在は”上限がない”ということで、長時間労働が慢性化しているという問題があるんです。

そこで、2024年4月からは年間960時間と制限をすることになったわけです。

ここまで見ると「あれ、いいことなんじゃないかな」と思うんですよね。「2024年問題」と言われるのには、いくつか懸念があるからなんです。

【労働環境改善の“懸念”】
・収入が減ってしまい、人手不足を招く可能性がある
・荷物の総輸送量が減ってしまう

このままでは、2030年までに全国の約35%の荷物が運べなくなるという野村総合研究所の予測もあるんです。

小川キャスター:
当たり前にスーパーに並んでいた生鮮食品が並ばなくなったりとか・・・

久保田編集長:
もちろん私たちの生活にも大きな影響を与えますし、日本の経済にとっても大打撃を与えかねない問題なんですね。

国も対策に乗り出しています。まず一つが「自動運転の普及」だといいます。自動運転に関しては、経産省が新東名高速道路上に2024年度にも「自動運転車専用レーン」を整備する計画を発表しているんです。

トラックだけでなく、鉄道やフェリーで運ぶことに…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20230401-6076643)

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