自転車ヘルメット着用 4月1日から“努力義務化” 非着用だと…頭部への衝撃“17倍”(2023年3月31日)
4月1日から自転車に乗る際のルールが大きく変わり、自転車利用者のヘルメットの着用が努力義務となる。自転車事故が増加するなか、ヘルメットの着用は広がるのだろうか。
■自転車関連事故“増加” 着用について街の人は?
これまで13歳未満の子どもが対象だった、自転車のヘルメット着用の努力義務。それが、4月1日からの「改正道路交通法」では、年齢にかかわらず自転車を運転、同乗する人全員に対象が拡大される。
もしも起きてしまったら、一大事となる自転車の事故。去年、全国で起きた自転車関連の事故は、およそ7万件で、前年より291件増加した。
ヘルメット着用の努力義務について、街の人に話を聞いた。
50代:「義務だったら、やらなきゃいけないですよね。努力義務というのが、どの程度なのかが、よく分からない」
30代:「子どものは持っています。大人用は持っていないです。面倒くさいは、面倒くさいね」
30代:「子ども乗せて、転んだことがあったので」「(Q.その時は大丈夫でしたか?)私自身は何も着けていなかったので、私はけがしてしまったんですけれど。子どもはチャイルドシートとかヘルメットのおかげで、全然無傷だったので。安全を考えたら、しょうがないのかなというのはありますけど」
50代:「本当は自分で判断するところかなと思いますね。スピード出る自転車だと、着けたほうが危なくないかなと思って。普段は通勤の時はママチャリなので、その時はかぶってないですね。ゆっくりしか走ってないので、そこはもう自分で(判断して)」
■シェアサイクル事業者からも“困惑の声”
自転車同士の衝突で、頭部が地面にたたき付けられる際の衝撃、HIC(頭部損傷基準値)を計測した実験映像。この数値が、700から2500になると、死亡する可能性があるというが…。
後ろの席の子どもの場合、「ヘルメットなし」の数値が1万5000を超え、「ヘルメットあり」と比べて、17倍も高い数値となった。
ヘルメット着用の努力義務。シェアサイクル事業者からも困惑の声が上がっている。
OpenStreet 広報・尾崎梢さん:「感染症が再び流行した時に、使いまわし、肌に触れるものは衛生面でも厳しい。ご自身にあったサイズのヘルメットをお持ちいただいて着用が現時点では望ましい」
コロナ対策とヘルメットのサイズの2点から、ヘルメット貸し出しは、以前から検討しているものの、現段階では持参してもらうことになるという。
■着用時に比べ…非着用時の致死率は“約2.6倍”
自転車事故の現状についてみていく。警察庁によると、ヘルメットを着用せず自転車に乗って事故で亡くなった人のうち損傷した箇所は、頭部が56%、胸部が12%、頸部(けいぶ)が6%だといい、亡くなった人のおよそ6割が頭部を損傷しているそうだ。
また、ヘルメットを着用していた場合の致死率は21%。着けていなかった場合は54%と、着けていなかった場合の致死率は着けていた時のおよそ2.6倍だという。
警察庁によると、死傷者のうち、ヘルメットを着用している人はわずか10%程度で、高齢者に限ると、着用率は3.6%だそうだ。
また自転車事故で亡くなった人のうち、高齢者の割合は65%を占めるという。
■専門家「未着用が過失ととられ、賠償額減額の可能性も」
改正道路交通法で、1日からヘルメットの着用は「努力義務」になる。この努力義務は、「義務」とは違い、違反による罰則はないが、守るよう努めなければならないもの」として規定されている。
自転車の交通事故に詳しい永沢徹弁護士は、ヘルメット着用は命を守るだけではないという。「もし、ヘルメットを着用せずに交通事故に遭い、相手方に損害賠償請求をしようとした時に、ヘルメットを着用していないことが過失ととられ、賠償額が減額される可能性も考えられる」そうだ。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2023年3月31日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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