【舞台裏】雨の中… ハリー・ポッター”ホグワーツ特急”輸送に密着!『every.特集』

【舞台裏】雨の中… ハリー・ポッター”ホグワーツ特急”輸送に密着!『every.特集』

【舞台裏】雨の中… ハリー・ポッター”ホグワーツ特急”輸送に密着!『every.特集』

去年4月。大井ふ頭の一角で出発を待っていたのは、赤いシートに包まれた大きな物体。その中身は、この夏、スタジオツアー東京 メイキング・オブ・ハリー・ポッターに展示されるホグワーツ特急だ。今回、日本にやってきたのは、およそ100年前にイギリス国内を走っていた実際の機関車で、映画の製作スタッフが塗装を施したもの。

輸送の責任者は、海外からスタジオツアー東京に届く貨物を取り仕切る、池田健大郎さん。池田さんらが、貴重な機関車を運ぶのに練りに練ったルートは約32キロ。その間、交差点を曲がる回数はわずか3回に抑えた。到着までの目標は、4時間だ。これまで1年2か月かけて、船からの吊り下ろしや輸送ルートなど、計画を詰めてきたという。

機関車を運ぶのに選んだのは、日本に数台しかない全長およそ30メートルの大きなトレーラー。横から見たときに荷台の中心が低くなっているのが特徴で、その分、高さのある大きなものも運ぶことができる。

交通量が少なくなった午前0時。機関車を載せたトレーラーが出発。ただ、池田さんが心配していたのは、天気。出発してまもなく、雨が降り始めた。雨が降ると、よりスピードを落とさなければならないため、時間との勝負になってしまう。さらに、道のりには、いくつもの陸橋。運転が慎重にならざるを得ない。

細心の注意を払いながら、走ることおよそ2時間半。ゴールまでおよそ6キロとなったところで、大きな難関が。1つ目の曲がり角、豊玉陸橋交差点だ。トレーラーはここを左折するのだが直角よりきつい角度のため、そのまま曲がることができない。警察官を含め8人ほどで誘導し、交差点内で切り返していく。そこで登場したのは、荷台を操る“かじ切り担当者”。後方のタイヤをリモコンで動かし車両の位置を調整、効率的に誘導する。難関と思われていたが、およそ5分で無事クリアすることができた。見守っていた池田さんたちも「OK!」と声をあげた。 そして2つ目の交差点も難なく曲がりきり、目標到着時刻まで1時間を残す順調なペースでトレーラーは走る。

このままゴール…かと思いきや、試練が待っていた。それは、最後の交差点に入った時のこと。本来、すんなり右折するはずだったのだが、雨の影響で荷台のタイヤの一部がスリップ。何度かトライするものの、うまく曲がりきることができない。荷台を操る“かじ切り担当者”も「1回下がった方がいい」と声をかける。荷台もガードパイプにスレスレだ。そして午前3時半、右折は不可能と判断。この時、目標まで残りおよそ30分。はたして、最後の難関を乗り越えられるのか?

一方、ハリー・ポッターの世界観に合わせてホームの柱を赤く塗り替えるなどの工事を進めているのが、西武鉄道「豊島園駅」。イメージしているのは、ホグワーツ特急の終着駅だ。担当者は「スタジオツアー東京に行くお客様の高揚感、ワクワク感ドキドキ感ひとつでも駅で増やしていただければ」と話す。

ただ、「豊島園駅」といえば…3年前に閉園するまで、多くの人に愛されてきた「としまえん」の玄関口だった。そこで、西武鉄道では、としまえんで実際に走っていた列車を駅のホームに展示することに。現在、塗装作業の真っ最中。「としまえん」の思い出を少しでも残し、懐かしさを感じられるようにしたいという。新たな豊島園駅の全貌は、スタジオツアー東京の開業に先駆けてお披露目される予定だ。
(2023年3月15日放送「news every.」より)

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