安倍総理も前向き?政治的公平“新たな解釈”の経緯 放送法めぐる“内部文書”(2023年3月7日)
“放送法”の解釈をめぐる問題について、ポイントをわかりやすく整理します。
放送法とは、放送事業者に定められた法律で、第4条には「政治的に公平であること」が求められています。この「政治的公平」の判断にあたっては、“1つの番組ではなく、放送事業者の番組全体をみて判断する”となっていましたが、この解釈について、2014年~2015年にかけて、当時の安倍総理の総理補佐官だった礒崎陽輔氏が、総務省側と議論しました。
そのやりとりとされる内容が書かれている文書。総務省は、一部はまだ正確性が確認できていないものなどがあるとして、精査を進めるとしていますが、“行政文書”として、7日、公表しました。
2014年11月、当時の礒崎総理補佐官は、総務省の担当者らに対して、「番組を全体でみるときの基準が不明確ではないか」「1つの番組でも明らかにおかしい場合があるのでは」という点について、検討するように指示したと書かれています。つまり、1つの番組でも「政治的公平」について判断できる新たな解釈を示すように総務省に働きかけていました。
文書によりますと、2014年11月~2015年2月の4カ月間で、礒崎氏が総務省と9回、面会していたことが確認できます。また、文書では、総務省出身の山田総理秘書官(当時)からは、「政府がこんなことしてどうするつもりなのか」「どこのメディアも委縮するだろう。言論弾圧ではないか」と発言したことが書かれています。
放送法の新たな解釈をどう示していくかも書かれています。礒崎氏は、国会答弁で示す形を提示し、「いつ誰が質問するかは慎重に決めたい。質問は補佐官がきちんとコントロールできる議員にさせる」「極端な事例が総務省の答弁として残らなければ意味がない。そこは答弁者に繰り返してもらうんだろうな」と発言した記述もありました。
当時の安倍総理は、2015年3月、文書によりますと「極端な例をダメだというのは良いのではないか」「全部とは言わないが、正すべきは正す」「国会答弁する場は、総務委員会とし、総務大臣から答弁してもらえばいいのではないか」という発言があったと書かれています。
5月に行われた総務委員会では、当時の高市総務大臣が、「1つの番組でも、極端な場合は、一般論として「政治的に公平」であることを確保しているとは認められない」と答弁しています。文書では「礒崎氏と調整したものに基づいて高市大臣が答弁した」とまとめています。
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