「再審開始」を決定 39年前に酒店女性が殺害され金庫奪われた事件 大阪高裁(2023年2月27日)
39年前、滋賀県日野町で起きた強盗殺人事件をめぐり、無期懲役で服役中に死亡した男性の遺族らが、再審(裁判のやり直し)を求めていたことについて、大阪高裁は先ほど、再審を認める決定を出しました。
1984年、滋賀県日野町で酒店の女性が殺害されて金庫が盗まれた事件では、強盗殺人の罪で阪原弘さんが、自白を強要されたとして無罪を訴えましたが、2000年に無期懲役が確定し、服役中に病死しました。
2012年、阪原さんの遺族は大津地裁に対し、再審(裁判のやり直し)を求め、2018年、大津地裁は再審の開始を決定しましたが、検察側が即時抗告(不服申し立て)し、大阪高裁で審理が続けられていました。
2月27日、大阪高裁は、再審を認める決定を出しました。
【争点は?~自白と客観証拠の“矛盾”】
再審を求める審理の中で、主な争点は2つありました。
・金庫の投棄現場に”誘導無し”で本当に案内できたのか?
有罪判決の決め手の1つとして、阪原さんが、捜査員の誘導無しに金庫が捨ててあった場所まで案内できたとされています。ところが、案内しているとされた証拠写真と、弁護団に新たに証拠開示されたフィルムネガの順番を見比べたところ、19枚中8枚が「帰り道に行きの”フリ”をして撮影された」ことが分かったということです。弁護側は「警察官が、行きの写真だけでは証明が不十分だと考え、写真を差し替えて任意に案内できたとする虚偽の証拠を作成したのではないか」と指摘しています。
・遺体は本当に”横向き”に遺棄されたのか?
弁護団は、法医学者に再度解剖記録の精査を依頼しました。その際、注目されたのが「死斑」です。死亡後に血液が沈殿して皮膚にできるあざで、死亡後約12時間で完成することから、遺棄された際のおおよその姿勢が推測できるとされています。
女性の遺体は、発見当時、体の左側を下にしていて、阪原さんの自白も「殺害後すぐ遺体を運び、左側を下にして遺体を遺棄した」と話しています。となると、遺体の死斑は「体の左半分を中心にできる」はずです。
一方、遺体の「死斑」は「背中全体にできている」とされ、「左右差がある」などの記載はありませんでした。
このことから、弁護側は「遺体はしばらくの間仰向けに近い状態で置かれ、その後左側を下にして遺棄されたのではないか」と自白との矛盾を指摘していました。
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