両親が連れ去られたのは「自分のせい」記憶を失った3姉妹の長女(19) 2度目のロシア侵攻に翻弄される子どもたち【news23】|TBS NEWS DIG

両親が連れ去られたのは「自分のせい」記憶を失った3姉妹の長女(19) 2度目のロシア侵攻に翻弄される子どもたち【news23】|TBS NEWS DIG

両親が連れ去られたのは「自分のせい」記憶を失った3姉妹の長女(19) 2度目のロシア侵攻に翻弄される子どもたち【news23】|TBS NEWS DIG

2度にわたるロシアの侵攻に、ウクライナ人は翻弄されています。去年11月に結婚式を挙げたばかりのユリアさん(19)は隣国に避難していて、祖国に残る夫とは離れ離れの生活を余儀なくされています。さらに、9年前のロシアの侵攻の際には両親が連れ去られ、今も行方が分かっていません。それでも彼女は今、前に進もうとしています。

■祖国を離れ隣国での避難生活… “2つ”の戦争に翻弄される人生

ウクライナの隣国、モルドバで避難生活を続けているユリアさん(19)。

7人の大家族ですが、避難所にある3つの手狭な部屋で、肩を寄せ合って暮らしてきました。食事や生活用品のほとんどが、支援物資で賄われています。

ウクライナの大学に通っていたユリアさん。
現在も、同じ学校の授業をオンラインで受けていますが…

ユリアさん「空襲警報が鳴ったら、授業が中断します。停電したときもです」

この日は、3時間遅れで始まりました。

ユリアさんは3姉妹の長女。
姉妹が「戦争」に翻弄されるのは、2度目のことでした。

■9年前の侵攻で両親は行方不明に… 里親に迎えられるも自傷行為を繰り返す日々

最初は、2014年のロシアによるウクライナ侵攻。

3姉妹は、東部ドンバス地方のドネツクに住んでいましたが、両親が行方不明になって孤児になりました。

当時11歳だったユリアさんは、記憶を失い、うつ状態に。

三女で4歳だったポリーナさんは、言葉を話すことができず、さらに喉頭がんを患っていました。

そんな3姉妹を引き取る人は現れず、それぞれが別の児童養護施設に預けられる予定でした。

その3姉妹を、気にとめる人がいました。
2人の息子と暮らすリアシェンコさん夫妻です。3姉妹の里親になることを決め、迎えいれたのです。

3姉妹の里親 リアシェンコさん
「孤児がいると聞きました。親がいない状態で生活するよりも、私たちと一緒に暮らす方が良いと思いました」

3姉妹が新たな家族のもと、移り住んだ場所はウクライナ南部のミコライウです。

三女のポリーナさんは、すぐに喉頭がんの手術をし、体力の回復とともに言葉も話せるようになっていきました。

しかし、ユリアさんは、終始、黙り込んだままで、自分の顔を血が出るほど引っかくなど、自傷行為を繰り返していたといいます。

■里親に見せた初めての涙 心を開いて見つけた未来への希望 しかし…

実はユリアさん、両親が行方不明になったのは、自分のせいだと責め続けていたのです。

3姉妹の里親 リアシェンコさん
「ユリアが呼び鈴を聞いてドアを開けたら、銃を持った人が入ってきたそうです。父親は連れ去られ、妊娠中の母は、父親を追いかけたまま戻ってこなかったと…」

里子になってから、半年が経ったある日。

生まれ育ったドネツクが、ロシアから攻撃を受けたニュースを偶然見てしまったユリアさんは、初めて感情を露わにしました。
金属製のたらいを何度も殴りつけ、「私のせいだ」と泣き叫んだといいます。

3姉妹の里親 リアシェンコさん
「泣きながら暴れているユリアに近づいて、『両親は戻ってくるよ』と抱きしめました。そして、泣いたことがないユリアが初めて『ママ』って、『助けてくれるの?』と言ったのです」

心の奥底にしまいこんできた感情を吐き出したことを機に、ユリアさんは、少しずつ心を開くようになっていきました。

両親を失って、孤児になった子どもたちが集まるイベントにも参加。
大学にも進学し、孤児のイベントで交流を続けてきたウラディスラフさん(25)と、交際を始めました。

そして2人は、結婚を約束。未来への希望をつかもうとしていました。

そんな矢先の2022年2月24日。
ユリアさんにとっては、2度目の侵攻が起きたのです。

■2度目の侵攻 2度目の避難… それでも気丈にふるまうユリアさん

家族が暮らすミコライウも、甚大な被害を受けました。

放心状態で何もできない、里親のリアシェンコさんに代わって、ユリアさんは率先して避難を誘導したといいます。

ユリアさんの里親 リアシェンコさん
「ユリアが『ママ、すぐに荷物をまとめて逃げよう。30分以内に荷物をまとめて行こう』って」

家のすぐそばを爆撃されたため、家族7人は4月に隣国モルドバに出国することを決意。
3姉妹にとっては、ドネツクからミコライウ、そして隣国モルドバへと、再びの避難を余儀なくされました。

モルドバの最初の避難先だった家を、ユリアさんが案内してくれました。
古い建物のため、家の中でも冷え込みが厳しく、家族7人がこの部屋に集まって暖を取ったといいます。そんなとき…

ユリアさん「子どものころ、私の家にもこういうストーブがありました。過去の記憶がよみがえりました」

深い心の傷を受けたことから、一時は記憶を失ったユリアさんですが、行方不明の両親のことを、少しずつ思い出せるようになってきたといいます。

ユリアさん「戦争が終わったら、両親を捜そうと思っています」

■「彼と結婚するためウクライナに」 新たな家族を築く決意

ユリアさんの気がかりは、ウクライナに残っ…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20230224-6069835)

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