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“ロケット戦国時代”狙うは世界!『H3』初号機 あす打ち上げで徹夜組も(2023年2月16日)
約30年ぶりに新たに開発された国産ロケット『H3』の初号機が17日午前10時37分に打ち上げられる予定です。
初号機は16日午後4時過ぎ、発射台に到着。静かに発射のときが来るのを待ちます。
H3は、先代の『H2A』を上回る体躯。全長63メートル、宇宙に運べる“モノ”の総量は、6.5トンに上ります。実は見た目において、もう1つ大きな変化があります。機体に大きく書かれた『JAPAN』の文字。過去30年、『NIPPON』だったのを変更しました。ここに、H3ロケットが与えられた任務が込められています。“世界”です。
H3プロジェクトマネージャ・岡田匡史氏(去年10月)「日本と、それから世界の人たちに役立つようなロケットにしていきたい」
“ロケット戦国時代”といっていいくらい、世界は加速しています。去年、世界で打ち上げられたロケットの数は177回と過去最多。ロケットの使い回しで効率化に成功した『スペースX社』だと、6日に1回打ち上げているレベルです。
人工衛星打ち上げに、民間の宇宙旅行、火星探査を目標にした多国籍プロジェクトなど、いまや宇宙ビジネスの幅広さは、数年前とは一線を画しています。H3ロケットは、世界に切り込むためのものです。
圧倒的成功率を誇るH2Aロケットですが、その分、コストが高く、海外向けの商業ビジネスとして確立することはできませんでした。対するH3ロケットは、50億円という打ち上げコストは、H2Aの半分で、スペースXの主力ロケットと比べても15億円も安いのです。
それを可能にしたのが、新たに開発したメインエンジンです。シンプルな構造でパーツの数を3分の1に。出力を上げながら、コストの大幅削減を実現する夢のようなエンジンになるはずでした。ところが、このエンジンこそが仇となります。
2度にわたる発射延期。どちらも、主力エンジンに見つかった不具合が原因です。微調整で済むものではなく、設計からの見直しを余儀なくされました。結果、日本は、世界の潮流に完全に乗り遅れました。去年、宇宙への道がどんどん開拓されていくなかで、日本は一度もロケットの打ち上げができませんでした。
遅れを取り戻せるかどうか。すべては17日の発射にかかっています。その瞬間を待ちわびる人たちがいます。
見に来た人:「延期になるのは経験済みですので、今回特別ですから、会社のお休みを1週間ちょっといただきました。素晴らしいですね。技術者の方に頭が下がります。色んな困難を乗り越えて、ここまでようやって来られた。あした、あの青空の中に打ち上がっていくのを、ぜひ、観たい」
見に来た子ども:「(Q.ロケット好きなの)大好き。何よりも好き。(Q.ロケットのどんなところが好き)全部が好き。(Q.実際のH3は)感動です。念願のH3が見ることできて、すごく感動しています」
期待されているのは、新型ロケットだけではなく、搭載される人工衛星『だいち3号』。従来の衛星よりも鮮明に撮影でき、地上にある80センチの物体まで見分けることが可能です。
『だいち3号』ファン:「うちわは手作りで作ってきました。ロケットの中に載せて打ち上げる衛星の方にすごく愛がある」
9年間、このプロジェクトを率いてきたH3開発の責任者は、こう話します。
H3プロジェクトマネージャ・岡田匡史氏:「ようやく、ここまで来たなという思いが、まずあります。最後の最後まで、このロケットが成功するように、我々、人間ですので、神様ではないので、どこまでやり切れるかというところです。最後の一瞬まで気を抜かないように頑張っていきたいと思います」
数えきれないほどの人々の思いを載せて、17日、第一歩を踏み出すH3ロケット。
JAXAの公式ホームページより:『日本を、世界を、宇宙に運べ』
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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