中国の“偵察気球”をアメリカが撃墜。飛行ルートの下には軍事施設も・・・軍事気球開発に力を入れる中国「将来は恐ろしい暗殺者に」【サンデーモーニング】|TBS NEWS DIG
米中の新たな火種となった“偵察気球”問題。中国が気象観測用と主張する気球の飛行ルートの下にはアメリカの軍事施設が点在していました。近年中国が開発に力を入れる偵察気球、その特徴は?日本に度々飛来する気球と同じもの?謎に包まれた気球の正体、どこまで明らかに?手作り解説でお伝えします。
高さ60メートル、重さは900キロ
偵察用とされる中国の気球は、アメリカ当局によると、高さ60メートル、下に吊された機器は重さおよそ900キロ。ソーラーパネルや方向舵、プロペラが付いて、速度や方向を変えることができたほか、通信傍受できるアンテナも付いていたといいます。
移動経路の下には米軍基地が点在
中国から飛んだとみられる気球は、1 月28日、アラスカ州のアリューシャン列島付近で米軍が確認、気流に乗ってカナダを経由し、31日にアメリカに入りました。
その後、モンタナ州などを通ってアメリカを横断する形で移動、サウスカロライナ州の海上に出たところで戦闘機に撃墜されました。この移動経路の下には米軍基地や施設が点在しています。
気球が飛んでいたのは、上空およそ20キロ。一般に航空機が飛んでいるのが10キロなので、そのほぼ倍の高さです。ちなみに2月10日、アラスカ州上空で撃墜された物体が飛んでいたのは、航空機と同じくらいの高度でした。
衛星よりもコストが安く、高度が低い
偵察兵器としての気球のメリットは偵察衛星に比べてコストが安く、飛ぶ高度が低いので、高精度の画像が撮影できること、より微弱な電波でも拾えることなどが上げられます。軍事情勢に詳しい小原凡司氏によると気球から、取得データを衛星に飛ばし、リアルタイムで中国に送っていた可能性もあるといいます。
軍事用気球の歴史は
歴史を振り返ってみると気球が軍事用に使われたのは、18世紀末にさかのぼります。
これはフランスが革命戦争中に作った偵察気球で、実戦に使われた最初のケースとされます。太平洋戦争の末期には、日本軍が和紙で作った「風船爆弾」を飛ばし、偏西風に乗せて、アメリカ本土を攻撃しました。
「気球は恐ろしい暗殺者に」
中国でも近年軍事用気球の開発に力を入れており、2021年、中国軍の機関紙では、気球が敵の探知を避けやすいとして「将来潜水艦のような恐ろしい暗殺者になる」と紹介しています。ワシントン・ポストは中国空軍が海南省を拠点として偵察気球の一部を運用していて、日本や台湾、インドなどアジア地域の軍事情報を収集していると報道しています。実際、今回の中国の気球と良く似たものは、日本にも度々飛来しています。2020年、仙台市で確認されたもののほかにも、2021年に青森県八戸市と小笠原諸島、2022年に九州の西の公海上や沖縄県でも確認されています。
アメリカは気球から回収された機器などの分析を進めていてますが、どこまで実態が明らかになるのでしょうか。
(「サンデーモーニング」2023年2月12日放送より)
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