【トルコ南部地震】死者あわせて1万人超 内戦で分断“シリアならでは”の問題
トルコ南部を震源としたマグニチュード7を超える地震発生から丸2日がたちました。隣国シリアでも2500人以上が亡くなっていて、死者はあわせて1万人を超えました。そのシリアでは10年以上にわたり内戦が続いていて、“シリアならではの問題”もあります。こうした中、シリアで支援活動を行う団体に話を聞きました。
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トルコ南部のハタイでは7日、愛する人の遺体を前に泣き叫ぶ住民もいました。生存率が低下するとされる「発生後72時間」が迫る中、がれきに埋もれたままの子どもに、ペットボトルのキャップで水を飲ませる男性の姿もみられました。
カフラマンマラシュでも、がれきの隙間に向かって男性が「聞こえますか?」と大きな声で呼びかけたり、崩れた建物の隙間から男性に抱えられた子どもが引き上げられたりするなど、懸命な救出活動が続いていました。
しかし、依然、多くの人ががれきの中に取り残されているとみられます。
ハタイの男性
「私たちは自力で建物から抜け出そうとしています。非常に難しい状況です」
ただ、その妨げとなっているのが、気温が氷点下にもなる“厳しい寒さ”です。多くの建物も倒壊したため、避難場所の確保も課題になっています。南東部マラティヤには多くのテントが並んでいましたが、ある男性は「私たちは滞在できるテントを探していますが、ありません。住む場所はとても深刻な問題です」と訴えていました。
ロイター通信によると日本時間8日午後10時半時点で、トルコでは8500人以上が犠牲に、隣国シリアでも2500人以上が亡くなっていて、死者はあわせて1万人を超えました。AP通信によると、地震の死者としては東日本大震災に次ぐ“過去2番目の多さ”だということです。
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シリア・アレッポの元々市場があったという場所で8日に撮影された動画には、道の両側にがれきが積み上がる様子が映っていました。内戦で破壊されていたところに地震が起き、さらに崩れ落ちたといいます。
ジンディレスでは7日、男性が鉄筋がむき出しになったがれきの中に身をかがめ、「パパが、ここにいるからね」と懸命に声をかけていました。その足元には、がれきに下半身が埋まった子どもの姿が…。その後、子どもはがれきの外に引き上げられました。
ただ、“シリアならではの問題”もあります。
シリアでは10年以上にわたり内戦が続いています。今回の地震では、“反体制派”支配地域にも大きな被害が出ていますが、シリア人権監視団によると、アサド政権は元々、支援や救助のための海外からの入国をほとんど認めていないといいます。その上、今回、トルコ側から反体制派支配地域につながるルートが大きな被害を受けたため、十分な支援が届かないのです。
ロイター通信によると、国連担当者は“約400万人が危機的な状況に陥る可能性がある”と懸念しています。
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こうした中、シリアで支援活動を行うUNHCR(=国連難民高等弁務官事務所)の細井麻衣さんに8日、オンラインで話を聞きました。細井さんは地震の際、「かなり強い揺れは感じました」と話し、現地の状況については「今、大寒波が来ていて、今日の最低気温が-5℃。(多くの人は)余震が怖いので、車の中とか学校とかに自主的に避難しています」と話しています。
UNHCRは、シリア国内にある事務所の備蓄からテントや毛布などの支援物資を届けているといいます。ただ、細井さんは「経済制裁を受けている紛争下のシリアには、なかなか外国からの支援が来ない状況にある。いろいろなものが足りていないのが現状」と困難な状況を明かしました。
(2023年2月8日放送「news zero」より)
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