コロナ病床増強で一般医療にしわ寄せ「入院先延ばし」も(2022年1月31日)

コロナ病床増強で一般医療にしわ寄せ「入院先延ばし」も(2022年1月31日)

コロナ病床増強で一般医療にしわ寄せ「入院先延ばし」も(2022年1月31日)

 自宅療養者数の人数が増え続けていることを受け、東京都では31日から保健所ではなく療養する本人が自分で健康観察するという体制に変わりました。

 東京都のフェーズは31日から大きく変わることになります。

 31日に開設された都の電話相談窓口「うちさぽ東京(自宅療養サポートセンター)」。

 これまで保健所などが行っていた健康観察を本人が行う体制に切り替えます。

 対象は重症化リスクの低い50歳未満の自宅療養者です。

 食料品やパルスオキシメーターの配送などもしてくれます。

 都の担当者:「体調に不安を感じたら24時間受け付けているので、『うちさぽ』にすぐ連絡を頂ければ」

 鍵となる3回目接種も進んでいます。

 自衛隊の大規模接種センターでは3回目接種が始まりました。

 モデルナ製のワクチンで自治体の接種券があれば、高齢者だけでなく18歳以上、全員が対象となります。

 会場を視察した岸田総理大臣。東京都の「緊急事態宣言発出」については慎重な姿勢を見せています。

 岸田総理大臣:「病床の数も稼働率も昨年夏より格段に引き上げたということ。現在は病床使用率48.5%にとどまっている状況。少なくとも現時点で緊急事態宣言の発出は国として検討していない」

 ただ、コロナ病床を増やしたしわ寄せは一般医療に影を落としています。

 取材中、病床が使用率100%となりました。

 18床が満床となったのは東京・大田区にある病院の救急患者を受け入れるベッドです。

 大森赤十字病院・中瀬浩史院長:「今、一般医療に対する圧迫が非常に強くなっている。血管障害が起きる方、整形外科の対象となる骨折の方、骨折の患者は毎日、手術が多数あってやっていたが、こういう状況になって断らざるを得なくなっている」

 去年から都の要請を受け、全病床の4分の1をコロナ病床に変えました。

 現在44床となっていて23人が入院、こちらは半分ほどの余裕があります。

 大森赤十字病院・中瀬浩史院長:「軽症の方がほとんどで、酸素を吸っている人はわずか1名。酸素投与に至る例は、ほとんどありません」

 コロナ病床を増床したものの一般病床の余裕はなく、入院を延期するケースも出てきました。

 大森赤十字病院・中瀬浩史院長:「コロナ病床を増やす時点で、予定入院の人も随分と予定を先に延ばして頂いています。悪性腫瘍(しゅよう)の方も不安感を述べていますし、本当にご不便をお掛けしていると」

 都の相談窓口などを活用、官民一体となって乗り切るしかないと話しています。

 大森赤十字病院・中瀬浩史院長:「行政が担ってくれる部分が増えてくるということですけども、もとの分母がどんどん増えてきたら仕事は全然、楽にならないだろうと思います。皆で力を合わせて乗り切らないと、この未曽有の試練は乗り切れないと思っています」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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