1階で4人が死亡した火災『外階段の場合は煙が1階にこもりやすい』専門家が状況分析(2023年1月23日)

1階で4人が死亡した火災『外階段の場合は煙が1階にこもりやすい』専門家が状況分析(2023年1月23日)

1階で4人が死亡した火災『外階段の場合は煙が1階にこもりやすい』専門家が状況分析(2023年1月23日)

神戸市兵庫区の集合住宅で高齢者ら8人が死傷した火災。なぜ被害は広がってしまったのでしょうか。

 1月22日午前1時半過ぎ、神戸市兵庫区湊町の3階建て住宅で起きた火災。1階に住む山口勝弘さん(77)、村上忠雄さん(86)、木村敏彦さん(78)、津田正行さん(79)の4人が死亡し、男性2人(60代)が意識不明、男性2人(40代・70代)が重傷を負いました。

 (住人)
 「ぱっと目を開けたら部屋の中が真っ白やって。下から煙がはってくるような感じで(部屋に)入ってきたから、あわてて部屋を飛び出てきた感じやね」
 「消火器を持っておりていったんだけど、(火の勢いが激しく)無理だと思って離して、すぐみんなを起こしにいった。『避難せえ』という感じで」

 警察によりますと、死亡した4人のうち3人が部屋で、1人が通路で見つかりましたが、目立った外傷はないことから一酸化炭素中毒や気道熱傷が死因の可能性があるということです。

 (消防団の人)
 「みんな1人世帯で単身世帯。高齢者で男性の方」

 警察などによりますと、この集合住宅は高齢者の1人暮らしが多く、1部屋3畳ほどの広さで、約30人が住んでいたとみられ、1階には車いすや寝たきりの人もいたということです。

 生活困窮者に住宅を紹介していたNPO法人は次のように話しています。

 (神戸の冬を支える会・理事 觜本郁さん)
 「初期費用なしで、問題を抱えている方であっても差別せずに入居させてもらえる住宅。十数年前に訪問したときは9割(の住人)はうちの相談者だったと記憶しています」

 火災の火元は1階の南側の部屋とみられています。消防によりますと、消火器が各階に設置され、火災警報機もあったとみられていて、去年12月の消防点検でも問題はなかったということです。

 なぜここまで被害が大きくなってしまったのか?防災に詳しい関西大学の越山健治教授は、建物を病院から集合住宅に用途変更したことが影響した可能性を指摘します。

 (関西大学 越山健治教授)
 「1階の部分に煙が広がるスピードが速い平面になっていますね」

 階段が建物の中ではなく外側にあったことが、1階に煙が集中した要因になったのではないかといいます。

 (関西大学 越山健治教授)
 「内側に階段がないので煙が上にいかないんです。1階にこもりやすい構造になっていて、そこにたくさんの人がいる、そして移動困難な人がいる。(避難する上で)障害となる要素が多い空間」

 神戸市は1月23日、火災を受けて、同様の施設に対して緊急点検を行う考えを明らかにしました。生活が困窮し身体が不自由な人が住む場所の安全をどう守っていくのか。今回の火災は改めてつきつけています。 

▼MBS NEWS HP
https://ift.tt/ALlpU3c

▼最新ニュースや特集を毎日配信 チャンネル登録お願いします!
https://www.youtube.com/c/MBSnewsCH?sub_confirmation=1

#集合住宅 #火災 #高齢者 #生活困窮者 #専門家 #MBSニュース #毎日放送

MBSnewsCHカテゴリの最新記事