小池知事が国に「緊急事態宣言の基準明確化を」 都の病床使用率は“宣言基準”50%迫る

小池知事が国に「緊急事態宣言の基準明確化を」 都の病床使用率は“宣言基準”50%迫る

小池知事が国に「緊急事態宣言の基準明確化を」 都の病床使用率は“宣言基準”50%迫る

東京都の病床使用率が「緊急事態宣言」を検討する基準に迫るなか、小池知事は、国に対し、「宣言」を出す際の基準や措置内容を明確にするよう要望したと明らかにしました。

東京都 小池百合子 知事
「緊急事態宣言の発出や措置内容などの具体的な対策などについて、明記をしていただくことを先ほど国に要望した」

東京都では新型コロナ用の病床の使用率が、きのう時点で46.1%となり、「緊急事態宣言」の要請を検討する基準の50%に迫っています。こうしたなか、小池知事は、きのう、緊急事態宣言を出す基準や、措置の具体的な内容などを明確に示すよう国に対して要望したことを明らかにしました。

なぜ、病床使用率が「宣言」を検討する基準に迫ったこのタイミングで、こうした要望をしたのでしょうか。「緊急事態宣言」が検討されるのは、国が作った指標では「レベル3」以上とされています。

では、「レベル3」となるのは、どういう状況かについて、国は都道府県に対し、26日に、こう通知しています。「レベル3への移行は、病床使用率や重症病床使用率が50%を超えたという指標だけでなく、複数の指標や今後の見通しを踏まえ、総合的に判断すること」。ただ、こうした国の基準の大枠は、オミクロン株による感染急拡大前に作られたもので、小池知事は今月6日、岸田総理のもとを訪れ、「オミクロン株の特性を明らかにした上で、今後の対応方針を明らかにしてほしい」と要望していました。

そして、翌日には、首都圏1都3県の知事の連名で、国に対し、「オミクロン株の特性などを踏まえ、基本的対処方針などを見直してほしい」と要望。さらに、政府分科会の尾身会長による「人流抑制より人数制限」との発言を受け、22日にも、1都3県で「オミクロン株に関する科学的知見を踏まえた対策の明確化」を要望しました。都の担当者によると、1都3県による、この2度にわたる要望に対し、国からの明確な回答は得られていないということです。

都としては、今月になって、“病床使用率が50%に到達した場合には「緊急事態宣言」の要請を検討する”という基準を明確に打ち出しています。その「50%」が目前に迫り、「宣言」要請の判断を迫られるなか、28日、小池知事は改めて、国に対し、「オミクロン株の特性を科学的知見に基づき分析し、医療提供体制や社会活動の継続などに関する対応方針を明らかにすること」「緊急事態宣言を出す際の基準や、措置の具体的な内容を明確にすること」などを要望したのです。

東京都が最大で確保できるとしている病床は6919床で、28日時点で3187人が入院していて、あと273人が入院すると、病床使用率は50%に達します。入院する感染者は、先週から今週前半までは1日200人前後のペースで増えていました。この2日間は、1日あたり100人程度に抑えられていますが、来週早々にも50%を超える可能性があります。そうなれば、小池知事は、「緊急事態宣言」の要請に動くのか、それとも、国に出した要望の回答を待つのでしょうか。(29日01:29)

TBS NEWSカテゴリの最新記事