【解説】中小企業の8割も賃上げ予定 肝心の賃上げ「率」は?|TBS NEWS DIG

【解説】中小企業の8割も賃上げ予定 肝心の賃上げ「率」は?|TBS NEWS DIG

【解説】中小企業の8割も賃上げ予定 肝心の賃上げ「率」は?|TBS NEWS DIG

ユニクロの賃上げが話題になっています。「うらやましい! うちの会社も見習ってほしい…」という声がある一方で、「ユニクロの賃上げで驚かないで。日本の給料が低いことに怒るべき」との声も。
一方、大企業のみならず、中小企業の81.2%も賃上げ実施予定という調査があります。肝心の賃上げ「率」は?専門家に聞いてみました。

■ユニクロ賃上げ“年収40%” 実現できた理由は?

齋藤慎太郎キャスター:
物価高が家計を圧迫する中で、1月11日、ユニクロなどを展開するファーストリテイリングが、2023年3月から正社員など約8400人を対象に、年収の数%~約40%に引き上げるという発表をしました。
新入社員の初任給ですが、今は月25万5000円ですが、これを30万円まで引き上げる(大卒の初任給の全国平均は21万円)。
そして、入社2年目で就任する新人店長に対して、今は月29万円。これを39万円にするという発表がありました。

なぜ、このような大幅な賃上げをすることができるのか。
大和証券チーフエコノミスト 末廣徹 さんに伺いますと「製造業は円安の恩恵を受けやすく、賃上げの原資があった」ということです。

SNS上では「うらやましい! うちの会社も見習ってほしい…」という声がある一方で、「ユニクロの賃上げで驚かないで。日本の給料が低いことに怒るべき」など様々な声が上がっています。

実際に海外と比べて日本の給料はどうなのか。

「2021年の世界の平均賃金」(OECDより※1ドル=130円)
アメリカ…約971万円
ドイツ…約728万円
韓国…約555万円
日本…約516万円

アメリカ、ドイツ、韓国は右肩上がりに増えています。その中で日本は、ほぼ横ばい。韓国は、以前は日本より低かったわけですけれども、2015年くらいで日本を抜いている。物価が違いますけれども、アメリカは日本の約2倍。

ホラン千秋キャスター:
私は生まれてこの方、右肩上がりになってるところを見たことがないので、賃金が上がっていくんだっていう夢を抱くことすら、忘れちゃいそうになるときってある。でもそうじゃなくて、本来、他の国のように右肩上がりで上がって、みんなの生活が豊かになっていくことを夢見て、目指すべきなんですよね。

■中小企業の8割も賃上げ予定 肝心の賃上げ「率」は・・・

齋藤キャスター:
実際に給料、今後上がっていくのか。

まず大企業から見ていきます。
2023年度、賃上げの実施を予定しているという会社が、85.1%(東京商工リサーチ)

サントリーHD → 6%程度検討
日本生命 → 7%の方針(営業職)
ジャパネットHD → 2023年4月から2年間で平均年収10%アップ

日本人の約7割以上が働いているという中小企業ではどうでしょうか?
賃上げの実施を予定しているという会社が81.2%。

スーパー アキダイの秋葉社長に伺いますと「簡単に給料上げられる状況ではない」そうです。仕入れ値や電気代などの高騰で、収入が減っているということで、「“来月から給料を上げてあげるよ”と言いたいが、残念ながら賃上げできるだけの余裕が会社にはない」ということでした。

では、中小企業の賃上げ率、今後どうなっていくんでしょうか?

大和証券チーフエコノミスト 末廣徹 さんに伺いますと「中小企業は大企業に比べ、円安のデメリットを受けやすいので、なかなか賃上げの原資を確保できない。できても賃上げ率は平均1%ほどか」ということです。しかし、この1%だと、おそらく物価高に対応できません。

そこで「十分な賃上げを実施するためには、賃上げの原資を確保するため、新事業にチャレンジすることが必要」だと話しています。

ホランキャスター:
いいサイクルになっていないというのが問題ですよね。いい人たちに来てほしいから賃金を上げて、その分を補填するようにサービスやモノの値段を上げましょうというのではなく、原材料などが上がっているからサービスやモノの値段が上がりました。かといって余裕ができているわけではないから、賃金も上げられない。この負のスパイラルを、どうポジティブに転換していけるのか。社会的な構造や、国際的な要素もあるので、非常に時間もかかるし難しいんだろうな。でも、あきらめたくない。

■就活生の本音 大切なのはお金より・・・

齋藤キャスター:
様々な試みを企業は行っているんですが、大学生たちは、企業に何を求めているのか。街で聞きました。

「企業選びで重視することは?」

Aさん(大学1年生)
1位…“給料”
2位…先輩が厳しくない
3位…睡眠時間の確保

Bさん(大学4年生)
1位…労働環境
2位…“給料”
3位…やりがい

Cさん(大学3年生)
1位…転勤なし(東京がいい!)
2位…自信を持って周りに言える企業
3位…“給料”

Dさん(大学3年生)
1位…バイク業界(バイク大好き!)
2位…キャリアプラン
3位…勤務地(関東圏内希望)

人それぞれ、一概に“給料”が一番大事というわけではなさそうです。

ホランキャスター:
みなさんは、入社するときに…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20230112-6061668)

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