【湯量”減少”】各地で「温泉出ない」 “温泉大国”日本に異変
人気の温泉施設で温泉が出なくなり、臨時休館に追い込まれる事態になっています。今、温泉の湯量減少などが、各地で問題になっていて、“おんせん県”として有名な大分県でも異変が起きています。
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寒さが厳しい今年の冬。刺激が少ない、やさしいお湯が冷え切った体を温めてくれるのは、長野・千曲市の温泉施設「湯のさと ちくま白鳥園」です。雄大な信州の山々を眺めながら広々とした湯船につかる「露天風呂」が人気です。
地元の入浴客
「温まるもんね、気持ちいい。朝風呂はちょうど今、すいているんですよ」
市が運営する施設のため、大人は600円と手軽に利用できるとあって、銭湯感覚で利用する地元住民も少なくないということです。“湯水のごとく”という言葉どおり、この施設では豊富な湯量が自慢のひとつです。
しかし、車で15分ほど離れた市営の温泉施設「佐野川温泉 竹林の湯 」では、逆の現象が起きていました。浴室を案内してもらうと、湯船にお湯はありませんでした。「湯のさと ちくま白鳥園」と源泉は別ですが、なぜかこの温泉施設の源泉だけ、湯量が不足する事態が起きているのです。
千曲市・生活安全課 中山秀一係長
「(湯量は)オープンした当時と比べると、半分程度になっている」
オープン前の2004年には毎分55リットルあった湯量は、2019年には26リットルと半分以下に減少。去年11月下旬から湯量がさらに減ってしまったため、先月25日以降、休業せざるを得ない状況が続いています。
温泉を利用していた地元住民
「入りたい人、みんないるよ。どうなっているかわからないけど、ぜひ(原因を)調べてもらって」
地元住民からは、原因を不思議がる声も聞かれますが、源泉や設備の調査をしても原因がわからず、現時点で再開のメドはたっていないということです。
千曲市・生活安全課 中山秀一係長
「(原因は)現状わかっていない状況です。ご不便をおかけしていることは、申し訳なく思っております」
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“温泉大国”日本ですが、実はこうした異変は各地で起きています。
北海道屈指の観光地「ニセコエリア」でも、源泉の井戸の水位が下がったことが確認されています。環境省の担当者は、“温泉地ごとに状況が違うため、一概には言えない”としながらも、過度な温泉の採取がお湯の量が減少する原因や、湯温の低下にもつながると指摘します。
環境省・温泉地保護利用推進室 北橋義明室長
「たくさんの温泉をくみ上げて使ってしまうと、温泉の温度が下がってしまったり、温泉の量が少なくなると」
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“おんせん県”大分も例外ではありません。別府市は温泉の湧出量と源泉の数が日本一を誇りますが、その中のひとつ、竹瓦温泉では源泉の温度が約60年で9度下がるなど、市内各地で源泉の温度が低下しているのです。そのため、県は温泉水の流れなどの調査を行った上で、新たな温泉の掘削を認めない特別保護地域を新たに2か所追加しました。
リゾート開発が進む北海道のニセコエリアでも保護地域が指定されるなど、新たな温泉の掘削を制限する取り組みが一部で進んでいます。
環境省・温泉地保護利用推進室 北橋義明室長
「枯渇するような兆候がないか、見ていくことが大事。限りある資源として、計画的に使っていく必要がある」
限りある日本の大事な温泉資源。環境省が定めるガイドラインなどを参考に、地域ごとに管理していくことが重要だとしています。
(2023年1月11日放送「news every.」より)
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