【航空トップに聞いてみた】日本航空・赤坂祐二社長(2023年1月6日)
■「比較的早くインバウンドは戻ってくると思う」
(Q.どんな1年にしたい)
期待を込めて、とにかく明るい一年、明るさを取り戻す一年。もう少しポジティブな気分に1年になると良いかなと思います。
(Q.8日から中国が水際対策を緩和、日本は引き締めるがどう考える)
今の状況において、やむを得ない対応だと思う。残念だが、こればっかりはしょうがない。早く中国の状況が改善してこれからインバウンドが海外から日本にたくさん来られる桜の季節がくるので、早く元に戻るというか人流が回復すると良いなと思う。
(Q.インバウンド回復のスピード感はA:コロナ前も中国のインバウンド需要が4割近かった。数としては圧倒的に中国がカギを握っていて、そこの部分がない。中国以外はかなり戻っている思う。全体として中国以外で7割くらいまできっと戻っていると思う。円安の追い風もあるが、比較的早くインバウンドは戻ってくると思う。残りは中国と。中国は別個の話になる。
■中国の影響は「それほど大きくない」
(Q.中国の穴埋めはできるか)
中国の分を中々補うのは数として難しいのではないかなと思う。輸送量も限られているので、中国のかつての輸送量を他の国が、我々も含めてできるかというと、不可能なので、インバウンドの回復のスピードや規模については、中国は別個にある。ただ、潜在的な中国の需要は非常に大きいので、コロナさえ落ち着けば、大きな中国からの波があるかもしれません。
(Q.中国について収入面の影響)
元々、私どもの国際線における中国路線の収入の占める割合は10%ちょいくらいだった。そういう意味ではそんなに大きくない。中国の便数がかなり減便になっているが、その分をそのリソースを他の路線に振り替えていて、例えば機材が余剰しているとか、人が余剰しているというのは基本的にはありません。したがって中国があかなければ、他でリソースを振り向けて、そこで収入を得ことによって、カバーは十分できる範囲内です。したがって来年の計画について、あるところで、中国があかないというような想定ができるのであれば、その分は他の路線にあらかじめ計画的に振りかえておくとこういう対応をこれまでのしてきているので、これからもそうしていきたいと思う。結構中国の質問を受けるが、以外と全体に占める割合は大きくない。、中国はものすごい数のLCCを飛ばしてきてるので、そういう意味ではもともと我々のターゲットマーケットではない。これはあまり書かないでほしい(笑)
■「以前のような110円台の時代には戻らない」
(Q.為替について)
水準はなかなか予測が難しいと思うので、私も困っているが、以前のような110円台をステイしていた時代には戻らないだろうなと思う。130円から140円の間で落ち着くはずだろうと思う。私どもはできるだけ安定的な為替水準である方が非常に望ましいので、上下のふり幅が大きいとお客様に迷惑が掛かるので、予測がつきやすい安定した水準が好ましいと思う。インバウンドは、明らかに円安の効果が大きい。ただインバウンド需要を大きく喚起するまでには、至っていない。なぜかというと若干時期が遅れてしまった。日本は10月でしたので、多分これから、時期的には春くらいが日本の代表的な桜の観光シーズンで海外の人がですね、ここはコロナ前を超える水準になるかもしれないと期待している。
■賃上げをして物価水準と合わせて、あるいはそれを超えるくらいの賃上げをしていく
(Q.賃上げについて)
考え方としては賃上げをして物価水準と合わせて、あるいはそれを超えるくらいの賃上げをしていく。そのための原資としては、ひらたくいうと値上げというか、より適正な価格で収入も増やしていくと、そうやって企業自体も成長していくと、好循環ですね。これも全くその通りだと思う。私どももできるだけその流れに早く乗りたいと思う。じゃあ時期は今年なのか来年なのかもっと先なのか、何とも言えない所もある。できるだけ早くその流れにキャッチアップできるように航空業界全体として努力していく必要がある。
■今までと違う人材育成が必要
(Q.日本経済の再浮上について)
賃上げみたいな方法論も重要だと思うが、やっぱり人材育成。長期的に。日本人としての人材をどうやって育成していくか。これ企業の責任としても特にこれから必要なDX(デジタルトランスフォーメーション=デジタル化)、ITとかそういった素養をどうやって見つけさせていくか。今までとは違う人材育成が必要と思う。賃金というのもあるが、働き方に応じた報酬の払い方とか、終身雇用みたいな制度が機能しなくなっている。企業の教育制度、あるいは人事制度みたいなものをかなり大きく変えていかないと人材が育っていかない人材が来ない、人材を維持できない、こういったことに既に陥っているんではと思う。そこが非常に需要だと。合わせてどうやって外国人に日本に来てもらうかというのがものすごく大事じゃないかなと思う。鍵は人材だと思う。
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