【航空トップに聞いてみた】ANAホールディングス・芝田浩二社長(2023年1月10日)

【航空トップに聞いてみた】ANAホールディングス・芝田浩二社長(2023年1月10日)

【航空トップに聞いてみた】ANAホールディングス・芝田浩二社長(2023年1月10日)

■水際対策緩和で着実に回復
 (Q.水際対策緩和で海外からの観光客増えたが、インバウンドの影響は?)
 年末年始、本当にたくさんのお客様にご利用頂きました。海外からお越しのお客様も本当に増えている実感があります。コロナ前に比べて国際線では5割までお客様戻ってまいりましたので今後、着実にまた伸びていくと期待しております。

 (Q.どこの国から増えているか、減っているか)
 ほぼ東南アジアの国々、例えばシンガポールですとかあるいは台湾、韓国もそうですね。あとオーストラリア、これに加えてアメリカ北米ですね。こちらはほぼコロナ前に近い数字に戻っております。あと一番まだお客様の動きが鈍いのがお隣の中国です。中国のお客様が動き出すと、ほぼコロナ前の状態に戻るのではないかと期待しております。

■一番期待しているのは中国からの需要回復
 (Q.中国の入国制限は影響が大きい?)
 こちらもともとコロナ前訪日外国のお客様の3割が中国のお客様でしたので、ここのお客様、当然中国側の出国制限というのもありましたけど、こちらが中国側が出国制限を解除し、日本側も受け入れ態勢がそれなりに整えば大きな人の動きは生まれてくると期待しております。

 (Q.いま一番多いのは?)
 韓国だと思います。

 (Q.その傾向は、コロナ前も?)
 コロナ前は中国が一番で、次が韓国、今は中国がしばらく人流が止まっておりますので韓国が首位ということになりますね。

 (Q.中国人観光客、いつぐらいに戻りそう?)
 いやーこの夏ぐらいまでにはですね。そこそこのお客様をお迎えにできるのではないかと期待ですね。

 (Q.世界の旅のトレンドは変わった?)
 コロナの感染が始まったころというのは海外に出向くのはどうしても慎重になりましたよね。国内線のお客様というのが伸びてきた。したがって足元の状況も国内線の方がはやい。ほぼ足元では8割を超えていますので、3月に向けてはほぼコロナ前に国内線は戻るだろうと。国際線は旅の長さ短さというよりも行先のコロナの感染状況、これをみながらお客様が移動をするお客様自身がいろんな情報を分析をして自分の身を守りながら行先を決めていく。そういうことだったかなと思います。

 (Q.中国からの足が戻らないなかでの経営戦略は?)
 足元で中国側から中国の出国制限を解除するという方針が出されました。これを受けて中国サイドからの需要がいつ、どのタイミングでどれだけの規模で戻ってくるか、これをしっかりと精査をしていく。それに応じて我々の中国線ネットワークサービスというのは回復をさせていきます。ただ、そこが回復需要に応じて我々のリソース、例えば機材ですとかをまだ余裕があれば、他にネットワークを考える。要は需要が強い東南アジアですとかこういったところに振り向けていく。本当に需要のあるところに我々のネットワークをしっかり構えていく。こういうことになります。

 (Q.ネットワークを振り向けるというのは?)
 もともと機材はしっかりと構えておりますので、中国の需要が戻ればしっかりと中国の需要を取りに行く。中国の需要がなかなか伸びない場合にはもともとある機材を他の地域に振り向けていく。当然しっかりある需要というのを増便によって取り込むことができる。一番期待しているのは中国からの需要の回復ですね。

■円高傾向になると日本人が海外に行くモチベーションに
 (Q.為替の影響は)
 これはですね、インバウンドの勢いというのは120円130円ではそれほど翳り(かげり)をみせるような勢いではないという風に思います。むしろ私どもにとって大事な旅行需要というのは日本人が海外に行く、ここの需要というのがこれから非常に大事になってくると思います。そういう意味では円高傾向、130円125円とか120円とかこういう形になると、日本のお客様が海外にこういうモチベにつながっていく。期待している。

 (Q.サーチャージ代が高いが今後は?)
 燃油費の動向によってサーチャージは上がりもすれば下がりもする。足元ではだいぶジェット燃料の価格というのは落ち着いてきていますので、もう見て頂ければ分かるがサーチャージ代は下がりつつあるのでその傾向はしばらく続くんだろう。

■3年間ずっと耐えてきた、今年の一文字は「跳」
 (Q.利益は上がっていきそう?)
 今年の一文字ということで「跳」という漢字を使っております。跳躍の跳ですよね。今までの3年間というのをずっと従業員と一緒に耐えてきた。耐える年から大きく跳ねる年というのがそれが私が社内に向かって投げ掛けているメッセージになります。良い年になります。

 (Q.企業努力としてどのように跳ねる?)
 3年間の従業員の努力でコスト構造改革が進みました。筋肉質の体にはなっているんですね。あとはしっかり需要が戻ってくれば、需要に応じて今まで以上の利益率というものを上げられる。ここは従業員と一緒に頑張っていきたい。

 (Q.消費者の恩恵は?)
 一つはサービス。あと、他社に負けないサービスに見合う運賃。これを提供していきますのでどうぞご期待を。

 (Q.賃上げは?)
 賃上げ…従業員の収入の確保という点から申し上げると、月例賃金と賞与とあるわけですよね。ずっとコロナの間、従業員には収入の面では随分、我慢をお願いしてきました。今年度やっと月例をもとに戻し、賞与も4カ月最終黒字が出れば約束しております。

■世界スタンダードに身の丈を合わせていくことが大事
 (Q.これからの日本、どうやったら打開できると思う?)
 マーケットもそうだが企業の文化もグローバル化する必要がある。世界スタンダードに身の丈を合わせていくという、こういう思いが大事。

 (Q.それは終身雇用とかではなくてという意味ですか?)
 社内の仕組みもそう。相手にするマーケットもそう。国内だけではなくて、世界全体を俯瞰(ふかん)するような戦略が必要。我々個社だけで補わなければ、例えばパートナーを探して世界全体を抑えて、そういう戦略が必要、大事じゃないかなと。

 (Q.世界でネットワークを作り上げていくという意味?)
 私どもスターアライアンスのメンバー1社で世界全体をカバーするのは当然できないので、スターアライアンスのネットワークとか、フィリピン航空ですとか、ベトナム航空とか、こういうところにも出資をしていますので、そういったところとの連携を通して世界のマーケットをカバーしていく。これが大事。

 (Q.日本は世界の企業に相手にされるか)
 ポテンシャルは負けないと思う。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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