電子機器の頭脳・半導体の開発…なぜ日本はトップから転落?技術大国ニッポンの巻き返しなるか…【堕ちるニッポン再生の道は】サンデーモーニング|TBS NEWS DIG

電子機器の頭脳・半導体の開発…なぜ日本はトップから転落?技術大国ニッポンの巻き返しなるか…【堕ちるニッポン再生の道は】サンデーモーニング|TBS NEWS DIG

電子機器の頭脳・半導体の開発…なぜ日本はトップから転落?技術大国ニッポンの巻き返しなるか…【堕ちるニッポン再生の道は】サンデーモーニング|TBS NEWS DIG

家電や自動車から、次世代のAIまで。ますます需要が高まる半導体。実は、この分野で、日本は、世界に大きく後れをとっているのです。

■衰退した日本の半導体製造

年末に行われた半導体の国際展示会集まったのは680もの半導体関連企業そこには岸田総理の姿も…

岸田文雄総理
「半導体について攻めの国内投資拡大を支援」

私たちの生活に密接につながっている半導体。会場ではテスラ社の電気自動車が分解されていました。

記者
「テスラの電気自動車ですが
内部には数多くの半導体が組み込まれています」

基板の上にある、黒い部分。この中に電子機器の「頭脳」の役割を担う
半導体が詰め込まれているのですが・・・実はこの半導体、日本は世界シェア50%以上をしめ「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われた時代があったのです。しかし、それが今…わずか10%に落ち込んでいるのです。一体、何が起こったのでしょうか。

■電子機器の「頭脳」 半導体

多くの家電製品に欠かせない半導体電子機器の「頭脳」の役割を担っていますが
カギとなるのは、その小ささです特に小さい、最先端の半導体が使われているのは
スマートフォン専門家に分解してもらいました

フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズ村野雅弘さん
「これがいわゆる半導体になります」

1cm四方の中に数百億もの回路が詰め込まれています。一つ一つの半導体の大きさは10億分の1メートル、ナノという単位で説明され、その数値が小さいほど多くの半導体を搭載でき、処理速度が上がるのです。

■最先端の半導体

例えば家電製品に必要とされるのは45ナノ。自動車などはおよそ30ナノ。そして、最新のスマホやパソコンは10ナノ未満です。今、この最先端を製造できるのは台湾と韓国のメーカーだけ・・・その一方、日本の技術は40ナノ程度でとどまっています。なぜ、日本は遅れてしまったのでしょうか

■日本の半導体 衰退の背景(1)

さかのぼること、およそ40年「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と呼ばれた時代。アメリカの家電市場を日本が席巻していました。多くの製品には日本製の半導体が搭載され、そのシェアは世界で50%以上…それが今や10%…衰退した背景の一つにアメリカの存在があったのです。

アナウンサー
「アメリカ政府は遂に対日半導体報復措置という
強硬手段に踏み切りました」

アメリカが仕掛けた、日米半導体協定。1986年、日本に半導体の輸入を倍にするよう義務付け、アメリカの製品を買うことを要求したのです。なぜ、不利な協定を日本は受け入れたのか。実はこの頃、日米貿易摩擦が激化…日本製品がアメリカ市場を席巻…現地では国内の産業が落ち込み不満が爆発…日本車の輸出が制限されるなど圧力が強まり日本は不平等な協定を受け入れざるを得なかったのです。日本の半導体産業が衰退した理由は
これだけではありません

■日本の半導体 衰退の背景(2)

ジャパン・アズ・ナンバーワンと呼ばれた時代を知る藤井滋(ふじいしげる)さん
富士通で半導体部門を率いていました。1990年代後半にパソコンが急激に普及した時、パソコンに特化した半導体開発で遅れをとったと言います

元富士通半導体部門トップ SSC代表取締役 藤井滋
「(海外の)後から出てきた半導体会社はパソコンだけに集約した製造技術できあがったものは安い(日本は)パソコンに特化しなかった日本は総合電機メーカーの一部で
巨額投資はできなかったような記憶があります。そこが一つ負けた理由」

その後も、復活を目指した日本はメーカーの半導体部門を統合しエルピーダメモリを結成。国が出資しましたがおよそ10年で経営破綻。日本は世界での地位を落とし40ナノ台の技術に、とどまっているのです。そんな日本が協力を仰いだのが3ナノの量産を開始した台湾・TSMC。TSMCの工場を熊本県に誘致し政府はおよそ4800億円もの支援を行うのですが・・・実はここで製造されるものは、20ナノ台最先端とは程遠いものです・・・さらに・・・

ラピダス 小池淳義社長
「我々に課せられた最後のチャンスだと考えている」

トヨタ自動車やNTTなどが出資し半導体の新会社ラピダスを立ち上げ2ナノの試作に成功したIBMと手を組み次世代半導体の国産化を目指すというのです。果たして日本は遅れをとり戻すことはできるのか。そして、再生への道は、どこにあるのでしょうか。

(「サンデーモーニング」2023年1月8日放送)

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