2023年どうなる“インバウンド” 水際緩和で“5倍増”も 各業界トップが占う(2023年1月5日)

2023年どうなる“インバウンド” 水際緩和で“5倍増”も 各業界トップが占う(2023年1月5日)

2023年どうなる“インバウンド” 水際緩和で“5倍増”も 各業界トップが占う(2023年1月5日)

 水際対策の緩和から3カ月、今年の日本経済の鍵を握るという「インバウンド」。その行方を多くの外国人でにぎわう人気観光地、そして「各業界のトップ」に占ってもらいました。

 東京・台東区のかっぱ橋道具街。

 ポーランドからやってきた夫婦です。

 ポーランドから来た夫婦:「日本には7回くらい来ているよ。日本の雰囲気と食べ物が好きだね。私たちは良い箸を使いたいんだ」

 去年末から日本に訪れているというドイツ人カップル。旅行の最大の目的が「包丁」だったそうです。

 ドイツから来たカップル:「3年前にもここに来て包丁を買いました。毎日使っています。日本の包丁は非常に軽いから」

 水際対策が大幅に緩和され迎えた2023年。かっぱ橋で働く人たちの期待は高まっています。

 はし藤本店・園田文昭さん:「現在、うちの店だと7割くらいが外国人客。このまま増えて頂ければありがたい」

 貴ノ刃・古川晃裕店長:「海外(からの観光客)だけでいうと(去年同時期の)300%とか。2023年には期待したいところ」

 インバウンドの“完全復活”はあるのでしょうか。

 経済の3団体が主催する、新年の祝賀会が行われています。各界のトップが集まっています。大手企業のトップに、2023年、インバウンド市場の展望を聞きました。

 ANAホールディングス・芝田浩二社長:「年末年始、本当にたくさんのお客様にご利用頂きました」

 ANAホールディングスの芝田社長。「航空」は、新型コロナの影響が直撃した業界の一つです。年末年始の予約数はコロナ禍で激減しましたが、今年度は水際対策緩和の効果もあって前の年のおよそ5倍に増えています。

 ANAホールディングス・芝田浩二社長:「東南アジアの国々、台湾、韓国もそうですね。あとオーストラリア、加えてアメリカ。こちらはほぼコロナ前に近い水準に戻ってきております。今後、着実にまた伸びていくと期待しております」「(Q.今年は(利益が)上がっていきそう?)今年の一文字ということで『跳』という漢字を使っています。この(コロナ禍の)3年間はずっと従業員と一緒に耐えてきた。耐える年から大きく跳ねる年へと…。これが私が社内に向かって投げ掛けているメッセージになります」

 ホテルやアウトレットモールを展開する三井不動産・菰田社長も、“インバウンド”の復活を見据えています。

 三井不動産・菰田正信社長:「ウイルスと共生しながらということになると思うが、ポストコロナの街づくりをしていきたいなと。海外のお客さんは日本に来たいという方が非常に多いので、徐々に増やして、できれば早い段階で2019年並みのインバウンド観光、3200万人くらい来るようになれば良いなと思います」

 すでに“コロナ前”の売り上げを上回ったという業界がありました。

 松屋・秋田正紀社長:「(海外からの)客数はまだまだ少ないが、(去年)12月はコロナ前を上回る結果になった」

 老舗百貨店「松屋」の秋田正紀社長です。コロナ前、いわゆる“爆買い”で百貨店の売り上げを押し上げた中国人観光客は、中国国内のコロナ急拡大の影響から欧米や東南アジアほど戻っては来ていません。それでもすでにコロナ前を超えた訳…。それは来店する外国人にある変化があったからだと言います。

 背景にあるのは円安です。

 松屋・秋田正紀社長:「明らかに今の為替レートの円安の効果だと思う。以前、欧米の方は日本に来て、百貨店にもご来店頂くがほとんど買い物はしないで、日本らしいお土産を買い求める程度だった。今はカバンや靴、ラグジュアリーブランドをお買いになるのがこれまでと大きな違い」

 一方、“爆買い”で多大な利益をもたらす中国人観光客の姿はまだほとんど見られないと言います。

 松屋・秋田正紀社長:「また感染が拡大してしまっては元も子もないので、その辺は慎重にやって頂くので我々もいいと思います。(中国人観光客が)お越し頂ければコロナ前のように化粧品、あるいは食料品関係、そういう部分の売り上げも伸びるというふうに期待はしている」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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