「ズワイガニ」異変 越前ガニ“豊漁”も…漁獲制限で仕入れに支障「いつもの5分の1」【もっと知りたい!】(2022年12月28日)
冬の味覚「ズワイガニ」に異変が起きていました。福井県では一時、高級ブランドの「越前ガニ」が取れすぎて市場を埋め尽くしました。
■アラスカ…ズワイガニの個体数“激減”で“漁禁止”
3年ぶりに行動制限のない年末を迎え、東京・上野の「アメ横」は大にぎわいです。
観光客:「(Q.お目当ては?)カニと漢方薬!正月用に」「カニを買いました。カニ鍋で食べます」
中でも人気なのは“カニ”。「冬の味覚の王様」とも言われる正月の人気食材です。
しかし、書き入れ時にもかかわらず、カニを扱う鮮魚店からは嘆きの声が上がっています。
石山商店・山口昌弘さん:「(Q.例年と比較して値段は?)(カニ)1000円~2000円上がっているかなと思う」「(Q.値段が上がっている理由は?)漁獲量、とれないって聞きますね」
京和水産・稲葉満夫さん:「(値段は)若干上がってますよ。売れないよ。売れない」
三幸商店・橋口利夫さん:「(例年よりも)2割ぐらい。2、3割高いですよ」
世界でカニを取り巻く環境が大きく変化。アラスカではズワイガニの個体数が激減し、今シーズンは漁が全面的に禁止される事態になりました。
さらに、円安などの影響で、輸入には金がかかる海外産のカニが高騰しているといいます。
そんななかでも、安く買う方法を聞きました。
丸茂商店・久保田悟さん:「まとめ買いしてもらうとか、大みそかとかですかね、狙って。特にアメ横は、業者も『アメ横に持ってくれば、年末どうにかなるだろう』という感じで、大量に仕入れるから安くなってる。店の逆手を取って交渉してもらえれば」
■高級「越前ガニ」 過去に類を見ないほど“豊漁”
一方で、国産のカニにも異変が起きていました。
引き揚げられた大量のカニ、カニ、カニ!高級ズワイガニ「越前ガニ」で知られる福井県越前町では先月、漁が解禁されると過去に類を見ないほどの豊漁が続いたのです。
初競りでは2.2キロの大物も登場。過去の最高値の4倍近い310万円で競り落とされました。
越前町漁業協同組合・小倉孝義専務:「非常にうれしい限りです。非常に量が良くて、皆さん、まあまあの顔をしていました」
豊漁により価格が下がり、このままいけば、高級ブランドガニが例年より3割ほど安く楽しめる…かと思いきや。
■漁獲制限で仕入れに支障「いつもの5分の1」
今月、越前漁港を訪れると、状況が変わっていました。
資源保護のため、1年間の漁獲量が制限されるズワイガニ。今年はわずか10日ほどで福井県に割り当てられた漁獲上限の半分にまで達しました。
そのため、越前町では、需要が高まる年末年始に備え、水揚げ量を意図的に減らす自主規制を設けたのです。
旅館などを経営する中橋正人さんにとっては、これが大きな痛手となりました。この日も、競りに参加していましたが…。
株式会社かねとも代表取締役・中橋さん:「高い。予想より、はるかに高い」
先月よりも価格が跳ね上がり、旅館の看板メニューであるカニの仕入れに支障が出ました。
中橋さん:「(Q.少ない?)全然少ないです。いつもの5分の1くらいです」
一時的に価格が下がりましたが、例年通りの値段に戻ってしまいました。
■今後の価格は?…「消費が鈍る手を打つ店は少ない」
国内産・海外産ともに値段が安定しないカニ。今後の価格の見通しについて、通信販売でカニを扱う「かに本舗」を運営する和田浩史郎社長は、次のように話します。
スカイネット株式会社・和田社長:「もう売っている値段で、そのまま年末需要期も、もうすでに突入していますので。ここでなかなか逆に値上げして、消費が鈍るような手を打つ店は少ないと思います」
(「グッド!モーニング」2022年12月28日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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