【元消防署長が解説】墨田区の化学工場で火災 “水酸化ナトリウム”の情報は?
27日午前、東京・墨田区にある化学工場の倉庫で火事があり、50代の男性が病院へ搬送されました。現場から元東京消防庁麻布署署長の坂口隆夫さんとともに中継。
火事の発生から6時間ほどがたちました。白い煙が上がり続けているのが、火元となった現場の化学工場です。工場の建物はほぼ跡形もなく焼け落ちてしまっているのがわかります。建物の奥の方を見てみますと、消火活動が行われている様子がわかります。
この建物からずっと出ている煙は、午後3時ごろから黒色から白っぽいものに変わってきているものの、川の奥の方がよく見えないぐらい広範囲にわたって煙が出続けています。
警視庁などによりますと、27日午前10時ごろ、墨田区立花の化学工場で「火が見える。倉庫が燃えている」などと110番通報がありました。火は工場など5棟、およそ2600平方メートルを焼きました。当時、工場には13人の従業員がいましたが、このうち50代の男性作業員が煙を吸ってのどに軽いやけどをしたということです。
現場となったのは液体石けんや化粧品を製造する工場で、倉庫には水酸化ナトリウムがあったという情報もあり、東京消防庁が消火活動にあたっています。
◇◇◇
【元東京消防庁麻布署署長・坂口隆夫さん解説】
──現場の様子からわかることは?
火元の工場は、焼け落ちた状態ですが、ほぼ鎮圧に近いと思います。ただ、延焼した耐火構造のビルの中からまだ煙が出ていますので、まだ中が燃えているのかなと。ですから、鎮圧鎮火にはまだ時間がかかると思います。
──火事が発生した直後の映像を見ると、かなり燃えている様子が見えますが、原因はどのようなことが考えられるのでしょうか?
やはり化学工場ということで、何か可燃性のガス、あるいは可燃性の液体を扱っていたのかなと。それに何らかの火種が着火して、一気に燃え上がったのかなと。そういうことが考えられます。
──現場は川に面した場所にあります。この点については何か影響したでしょうか?
ちょうど風下側が川なんですね。住宅が密集していれば延焼を拡大してしまうんですが、川であったということで、延焼を防いだという効果が一つあるんです。
それと、自然水利の川ですから、消防艇が出動して水を大量に送ったということで、消火活動にも非常にいい効果があったのかなと思います。
──現場は化学工場の倉庫で水酸化ナトリウムがあったという情報もあります。この水酸化ナトリウムが燃えていた場合、どのようなことが考えられるのでしょうか。
水酸化ナトリウムがどの程度あったかはわかりませんが、これ自体は不燃性です。ただ、水と反応したり熱を受けたりすると、毒性のガスを発生するというようなことが起きるんです。
──現場はまだかなり風が強いように見えます。まだ温度が高い場所もあるかと思いますが、このあと再び火が上がってしまう可能性は?
いま消防隊による残火処理の消火活動が行われています。主力的には耐火構造のビルの消火活動に重きを置いていると言っていいと思います。ですから、これ以上燃え上がるということはありません。
◇◇◇
現場近くにいる方はなるべく煙を避けて安全な場所に避難する必要があります。警視庁は、周辺の住民に対し、区が避難所として開設した東吾嬬小学校に避難するよう呼びかけています。
(2022年12月27日放送「news every.」より)
#墨田区 #火災 #化学工場 #日テレ #newsevery #ニュース
◇日本テレビ報道局のSNS
Facebook https://ift.tt/BX9Gngv
Instagram https://ift.tt/gsnS2yV
TikTok https://ift.tt/SYi59am
Twitter https://twitter.com/news24ntv
◇【最新ニュースLIVE配信中】日テレNEWS HP
https://news.ntv.co.jp
コメントを書く