【奮闘】400年の歴史「豪雪地帯の秘湯」 物流寸断で試練も…守り続ける“覚悟”(2022年12月22日)

【奮闘】400年の歴史「豪雪地帯の秘湯」 物流寸断で試練も…守り続ける“覚悟”(2022年12月22日)

【奮闘】400年の歴史「豪雪地帯の秘湯」 物流寸断で試練も…守り続ける“覚悟”(2022年12月22日)

 400年の歴史を持つ新潟県にある秘湯。深刻な人手不足に追い打ちを掛けたのは大雪による物流まひでした。その危機を救ったのは…。

 “湯守”・星宗兵さん(36):「(Q.これから何を?)屋根の雪下ろしです。きのう、おととい途中までやったんですけど…」「(Q.まだ積もっている状況ですか?)終わらない」

 星宗兵さん。全国有数の豪雪地帯・新潟県魚沼市の秘湯を守る若旦那です。12月、例年の3倍近い積雪となったこの地域。朝は小康状態となりましたが、22日遅くに訪れる寒波に備え除雪の手は止められません。

 “湯守”・星宗兵さん:「(Q.全然寒くないですか?)始めて20分から30分したらTシャツです。あっちもこっちもあるので、とにかくできる時にやっておく」「(Q.こういうことですか?)そういうこと。もうやったのが元に戻っちゃった」

 今回の積雪で物流が滞るなど、アクシデントにも見舞われた雪国の秘湯。その一日を追いました。

 上越新幹線・浦佐駅から送迎バスで40分。魚沼市の山間に、“秘湯”「栃尾又温泉自在館」があります。湯を守り続けること、およそ400年。泉質が判明し、冬の営業を始めたのは大正時代からだといいます。もちろん、宿の自慢は…。いつからか“万病の湯”と言われるようになった温泉です。その温度にも特徴があります。36度と、かなりぬるめ。20年前から、およそ15回訪れている常連客は…浸かりっぱなし、1時間40分の長湯です。

 千葉県からの宿泊客:「草津みたいに熱くてわいわい入っているのも温泉だろうけど、おしゃべりしなくて良い、そういう温泉」
 愛知県からの宿泊客:「コンビニも何もない、ただここだけで過ごす。よろしいんじゃないですか」

 食事も評判。魚沼産コシヒカリをはじめ、地元の食材を使った郷土料理です。体の外と内から健康になれると、全国各地から湯治客が訪れます。

 しかし、人里離れた秘湯ならではの“苦悩”がありました。

 従業員:「(Q.どのくらい勤めている?)ちょうど2年ですね。仲間が人を探していると。『遊んでいるんだったら行ってみれば』と言われてさ」

 人手不足です。若旦那は周囲も含め、どこもかしこも人手が足りないと嘆きます。

 自在館第26代目当主・星宗兵さん:「除雪する仕事の人も人手不足で、去年・おととしの大雪の時も頼んだが1週間以上、来なくて泣きながら自分たちでやった」

 さらに資材や光熱費の高騰で暖房などの使用を控えなければならない事態にも直面しています。そして、この冬、さらなる試練が…。大雪の影響で物流が滞ってしまったのです。

 自在館第26代目当主・星宗兵さん:「温泉水を発送してほしいというお客様もいらっしゃって。そういう方に送っているが、この大雪の影響もあり先週から送れていない」

 温泉水やラジウム納豆など、取り寄せ品として人気の品々が配送できなくなっていたのです。宿にとっては貴重な収入源の一つが絶たれる緊急事態。しかし…。

 配送業者:「よろしくお願いします。相変わらずスゴイ雪ですね」
 自在館第26代目当主・星宗兵さん:「ありがとうございます」

 22日午前11時すぎ、配送が復活したのです。

 自在館第26代目当主・星宗兵さん:「山の中で大変ですし、配送業者さんに感謝するところ。山の中にいると本当に助かる」

 不便なことも多い“秘湯の立地”。

 自在館第26代目当主・星宗兵さん:「本来ならお店とかないような所に、あえて宿とかがあって、温泉に少しでも長く入ってもらうために、何とか湯守が頑張っているところが秘湯なのかなと思う。感覚としては“温泉の邪魔しをしない”」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

ANNnewsCHカテゴリの最新記事