“今季最強寒気”相次ぐ大雪被害 「車に11時間」立ち往生22km…極寒の中“停電”も【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年12月20日)

“今季最強寒気”相次ぐ大雪被害 「車に11時間」立ち往生22km…極寒の中“停電”も【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年12月20日)

“今季最強寒気”相次ぐ大雪被害 「車に11時間」立ち往生22km…極寒の中“停電”も【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年12月20日)

 今シーズン最も強い寒気の影響で、19日は各地で記録的な大雪となりました。新潟県柏崎市の国道では、一時22キロにわたって800台の車が立ち往生し、県は「災害救助法」の適用を決めています。

■「きのうから待っている」大規模な交通障害

 雪で狭くなった新潟県長岡市内の県道です。長岡市の中心部に向かいますが、渋滞でほとんど車が前に進まない状態です。

 徐々に動き出し進んでいくと、そこに現れたのは雪で立ち往生する大型トラック。片側1車線の左右に、動けなくなったトラックが次々に現れます。

 その間を縫って進んでいきますが、国道17号に合流する直前で渋滞が発生。6時間、全く動かない状態になりました。

 先に進むのを諦め、Uターンすると、そこには対向車線を埋め尽くすトラックの列。全く動くことなくその場にたたずんでいます。その距離25キロ以上です。

 さらに、長岡市内の17号線では、まるでスキー場のようになった道路に、ヘッドライトを消して動きを止めた多数の車の姿がありました。

 まるで、乗り捨てられたかのようにじっと動かず、その場に止まっています。その脇では除雪作業が着々と行われますが、なかなか渋滞解消にまで至りません。

 そんななか、作業員が1台1台の車を回り、渋滞の情報をドライバーに伝えていきます。

 作業員:「この先行くと、また詰まってしまう。次の交差点を進むかどうか。すいませんけども、今そんな状態なので」

 作業員:「詰まっているらしく動かないという話なので、もし目的地まで迂回(うかい)が可能であれば…」
 運転手:「難しい」
 作業員:「難しいですか…」

 道路沿いに設置された自動販売機。その屋根に大きく積もった雪。下半分は雪に埋もれてしまっています。その姿から、記録的な大雪だということが分かります。

 渋滞に巻き込まれたトラック運転手:「(Q.どのくらい待たれている?)きのうのお昼から待っているんで、どこ行っても混んでいるんで」

 いまだに長岡市周辺では大規模な交通障害が起こっています。

■大渋滞で車に“丸一日” 夜が明けても…

 長岡インターチェンジ入り口の掲示板には、高速道路は通行止めという案内が出ています。さらに、その手前の国道8号には、上下線ともにほとんど動くことなく車の長蛇の列ができています。

 大型トラックが左折しようとしたところ、スタックしてしまったみたいです。さらに、左には黒い乗用車もスタックしています。

 この大雪の影響で22キロにわたり車の立ち往生が発生しました。

 別の場所でも、ずらっと並ぶ車や降りて車に積もる雪を下ろす様子が撮影されています。この動画の撮影者は4時間かけて、ようやく渋滞を抜け出せたといいます。

 一方で、19日朝に家を出て渋滞に巻き込まれた男性は、職場に向かうはずでしたが、丸一日、車で過ごすはめになったといいます。

 半日以上立ち往生した運転手:「家を出たのが朝の6時なんですね。なので、そこからノロノロとしたような運転だったので。こういうふうに(渋滞に)ハマってしまったのが11時間とかなのかな。もう記憶が定かじゃなくなってきてます」「あしたも仕事なんですけどね。仕事出られれば出たいんですけど、ただ眠くなるだろうから…」「(Q.今、何がつらいですか?)いつ解放されるか分からないという不安だけですね」

 夜が明け、男性の車は、いまだに動かすことができないといいます。

■救急車も立ち往生…道路真ん中に“車放置”

 国道8号だけでなく、長岡市の至る所で渋滞が起きていました。

 この道路では反対車線に延々と車の列ができています。反対車線の列を気にしながら走行していると突然、車の屋根に積もっていた雪がフロントガラスに落ち視界が遮られます。慌ててワイパーを動かし、事なきを得ました。

 降り積もる雪は、視界を遮るだけではありません。片側2車線の道路、そこに前方の交差点から誤って乗用車が逆走してきます。

 運転手:「逆走してる、逆走してる」

 撮影者によると、この時、事故は起きませんでしたが、一歩間違えれば重大な事故につながる恐れがありました。

 さらに長岡駅前の道路では、信号が青になっても車は動きません。大渋滞となっています。

 町全体を覆い尽くすほどの雪で、道路の真ん中には車が1台止まってしまっています。この車が動けなくなったものと思われます。車を動かそうと数人の作業員が道路の雪をスコップでかき出しています。

 作業員:「(Q.車の持ち主はどうされたんですか?)車の持ち主…知りません。いないんです。警察に電話しています」「(Q.立ち往生したまま放置ということですか?)放置…だと思いますよ」

 さらに別の場所では、救急車が交差点内で立ち往生する事態になっていました。

 男性:「少し(救急車が)ハマっちゃってて」

 撮影者によると、積った雪から抜け出せなくなった救急車を通り掛かりの人や近隣住民などが、20人ほどで20分がかりで救出したといいます。

■“立ち往生”ごみ収集車救助も…次から次へ

 19日、12時間で降った雪の量が全国1位となった新潟県魚沼市の守門地区に向かいました。

 公衆電話やミラーが埋もれていて、歩道は人がギリギリ通れる分だけ除雪され、両サイドは1メートル以上の雪の壁ができていました。

 魚沼市の守門地区では、19日だけで97センチの雪が降り、積雪量は一時、青森県酸ケ湯を超え190センチまで急増しました。

 この大雪で気象庁は「顕著な大雪に関する気象情報」を発表。その影響は至る所に出ていました。

 屋根の上には、雪が人よりも高く積もっています。電柱や電線にも雪が絡みつくように積もっていたのです。

 さらに、道の真ん中で雪の溝にはまり立ち往生していたごみ収集車。救助に駆け付けていたのは、地元の住民たちです。

 降りしきる雪の中での懸命な作業。ごみ収集車を重機とロープでつなぎ引っ張り上げます。すると、動き出しました。

 救助を手伝う住民:「もう上にあのトラックで上がれないんで、ここに車を置いて歩いてごみを収集に行くんだそうです」

 住民たちが力を合わせ30分ほどで無事に脱出。しかし、また2台の車が止まってしまいました。救助作業をするため再び集結する住民たち。その現場の横を通過しようとした車もはまってしまい、住民が救助作業します。

■空き家に積雪 屋根崩落も…近隣住民「心配」

 次から次へと雪にはまる車。しかし、住民の不安は他にもありました。それは、空き家に積もる雪です。

 全く手付かずの状態で、雪が積もり続ける空き家。玄関の前にも高い雪の壁が立ち塞がります。

 今にも壊れそうな屋根の上には、重く湿った雪が積もったままの状態で放置されていました。

 さらに、住宅が密集したエリアでも見られました。

 この空き家は1メートル以上、雪が積もっています。雪の重みに耐えられなかったのか、玄関部分の屋根とみられる部分は完全に崩落していました。

 空き家の近くに住む人:「毎年こっちに倒れなきゃいいなと心配は心配で。そこの隣もそうなんですよ」「(Q.お隣も?)そこも空き家なんです」「(Q.空き家に囲まれてる?)そうです。もう何十年も、このままなので」「(Q.両方とも?)両方とも。何とかしてほしいですけどもね。でも、きっと市も何もできないのかなって」

 魚沼市によると、守門地区だけで空き家は99軒あり、空き家の前の道を除雪することはあっても、敷地内に入って除雪は、基本的にできないといいます。

 本格的な雪のシーズンは、まだ始まったばかり。いつ倒壊してもおかしくない状況に住民の不安が募ります。

■車トラブル続出 “一日で90件”問い合わせ

 19日は北陸でも大雪となり、車のトラブルが各地で発生していました。その救助に向かっていたのはJAF富山支部です。

 右半分が田んぼに落ちた車。運転していた男性によると、買い物に出掛けようと自宅前を右折した際にタイヤが滑り、田んぼに落ちたといいます。

 JAF富山支部・宮野晃さん:「なるべくお客様の車が傷付かないように状態を見ながら上げていこうと思います」
 脱輪した男性:「お願いします」

 タイヤの下に木のスロープをはめ込み、車体に傷が付かないよう慎重にワイヤーを引っ張っていきます。

 少し動かしては、スロープをはめ直し再び引っ張る。この作業を繰り返すことおよそ20分。

 脱輪した男性:「(Q.どうですか、作業をご覧になって?)いやー、さすがプロだなと思って」

 宮野さん:「2時間も3時間も待たせている状況ですので。そこでお客様も無理して上げようとしますけど、やはり危険ですから、私たちが来るまで触らないで頂きたいです」

 JAF富山支部によると、19日だけでおよそ90件の問い合わせがあったといいます。

■新潟・佐渡市 極寒のなか5100戸“停電”

 真っ暗な部屋の中、光を放っているのは石油ストーブです。

 佐渡市豊岡に住む男性:「電気がつかないので、石油ストーブの光だけで生活しています」

 新潟県佐渡市では雪の重みで倒れた木が電線に接触するなどして、18日午前11時すぎに停電が発生。その後も降り続く雪によって、停電の地域は拡大していき一時、全世帯のおよそ4分の1の5100戸が停電しました。

 家の暖房器具は電気しかないという男性でしたが…。

 佐渡市豊岡に住む男性:「(近所の)病院みたいなところで石油ストーブを持っていて、その1つを貸してもらいました」「(Q.それがなかったら大変?)布団にくるまって生活しようと思っていました」

 幸い石油ストーブを借りることができ、暖かさとともに、明かりを手に入れることができました。

■停電してないホテル 大浴場を“無料開放”

 一方、こちらは仕事を終えて、自宅に帰る車。道の脇には民家が並んでいますが、どの家も明かりはついていません。

 家に帰って、部屋の電気をつけようとしてもつきません。

 大雪の影響で木が倒れ、自宅の一部が壊れてしまいました。

 佐渡市片野尾に住む男性:「ボイラーの煙突が折れてしまったので、もし電気がついても(風呂は)使えない状態です」

 停電していない地域にあるホテルでは、住民に向け、大浴場を無料で開放。携帯電話を充電するコーナーも設置して対応にあたっています。

 東北電力管内は20日午前6時現在も、およそ2万戸が停電中。一刻も早い全面復旧が望まれます。

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2022年12月20日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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