【解説】「退避費用の負担」は不可能 旅先でトラブルに…こんな時どうしたら?南米ペルーで前大統領支持によるデモ激化 支持者の求めるものとは|TBS NEWS DIG

【解説】「退避費用の負担」は不可能 旅先でトラブルに…こんな時どうしたら?南米ペルーで前大統領支持によるデモ激化 支持者の求めるものとは|TBS NEWS DIG

【解説】「退避費用の負担」は不可能 旅先でトラブルに…こんな時どうしたら?南米ペルーで前大統領支持によるデモ激化 支持者の求めるものとは|TBS NEWS DIG

罷免された前大統領の支持者らによる抗議デモが激化し、少なくとも15人の死者が出ている南米ペルー。日本人観光客らが足止めされています。今、ペルーで何が起きているのでしょうか。また、旅先でこのようなトラブルに巻き込まれたらどうしたらいいのでしょうか。

■南米ペルー 緊急事態宣言で観光客ら足止め

山内あゆキャスター:
南米のペルーで混乱が続いています。まずは場所から見ていきましょう。ブラジルに隣接しているのがペルー。古代インカ帝国の遺跡である世界遺産のマチュピチュ、一度は行ってみたいという方も多いと思います。それから、ナスカの地上絵。最近新しいものが発見されたことも日本では大きく報じられました。

今、ペルー全土でデモが激化しているということなんです。

15日の首都・リマの抗議デモの様子です。前大統領を支持する人たちの抗議デモが激化しています。14日からは全土を対象に30日間の緊急事態を宣言。自由な集会などが禁じられるようになっています。

そして、この衝突の中で亡くなった方は少なくとも15人、少しずつ増えている印象です。また南部クスコなど一部の空港や道路が封鎖されているため、日本人約20人が足止めになっていて、その他の観光客の皆さんも国外に出ることができないという状況になっています。

ここで注目される人物がペルーのカスティジョ前大統領です。12月7日にペルー議会は、当時のカスティジョ大統領を罷免しました。そして国家警察はカスティジョ大統領を拘束。これに対して支持者らが抗議をして、抗議デモが全国に広まっているというところなんです。

この抗議デモはなぜここまで激化したのか。そして、大統領の支持者が何を求めているのかを見ていきましょう。

■次々変わる大統領 なぜ前大統領は罷免された?

実はペルーでは、大統領がどんどん変わっている状況が続いてきています。2016年に就任したクチンスキ氏は2018年3月に汚職疑惑が浮上して、任期途中で辞任を余儀なくされます。

続いて、2020年11月に大統領に就任したビスカラ氏は就任から2年経ったところで、やはり汚職疑惑が浮上して議会に罷免されてしまいます。

次に大統領になったのは、メリノ氏です。同じく2020年11月、このビスカラ氏を罷免に追い込んだのはメリノ氏ではないかということで、抗議デモが拡大し、これを収束することができず、辞任を余儀なくされます。

そして2016年からの大統領選から、結局一度も大統領選を経ないままに任期まで満了したのが、サガスティ氏でした。

そして2021年、ようやく大統領選挙になったということです。ここで出てくるのが、カスティジョ前大統領です。

カスティジョ前大統領は、農家出身で元教師。スローガンは「国民こそ政府」。貧困層から支持された人物だったんです。

2021年7月の大統領選では、カスティジョ氏とケイコ・フジモリ氏(元大統領の娘)の決選投票にまでもつれ込みました。勝ったのはカスティジョ氏です。

決選投票の得票率は
カスティジョ氏   50.125%
ケイコ・フジモリ氏 49.875%

ということで本当に僅差だったんですね。これで大統領に就任したのが、カスティジョ氏でした。

ここで収まるかと思いましたが、またも汚職疑惑などが浮上して議会と対立。

12月7日には3回目の弾劾決議案が採決される見通しになっていたんですが、この採決を前に、カスティジョ大統領は議会の解散を宣言します。

しかし議員らは審議を粛々と進め、大統領の弾劾をかけず、カスティジョ大統領は罷免されました。

そしてそれだけでは収まらず、国家警察は大統領の出した議会の「解散宣言」は憲法の秩序を乱しているとして、カスティジョ氏の身柄を拘束したんです。

ここに対して今、国民が異を唱えてデモが全土で激化しているということなんです。

井上貴博キャスター:
そもそもペルーは、観光収入にだいぶ頼っている国でもあるので、デモが激化すればするほど国のダメージも増していく。貧困格差も増していく、広がっていくと。

若新雄純 慶応大学特任准教授:
国家運営の視点で言うと、いろいろ未熟なんだろうなっていう気はするんですけど、ある意味なんかすごく、めちゃめちゃ元気な社会ってことだと思うんですよ。

だって日本でも、政治のことに興味を持とうとか疑問があったら声を上げようって言ったりするけど、それがめちゃめちゃ激しくなったら、こうなるってことですよね。

国家に対して疑問があるんだったら、言論でと言うけど言論の場って、整えられてないし、言ったからといって変わらないこともあるじゃないですか。

そうなると、人間っていうのは夢中になると、当然暴力的になったりもするし。社会についてみんながマジになるっていうのはこういう側面があると思うんです。

一方、日本では、そんなことして命なくなっちゃったとか、捕まっちゃったら損って言って、ある意味で社会に対してちょっと冷めてるというか、無関心って状態なんですけど、どれが社会にとって良い状態なのかなってすごい悩ましいですよね。

■ペルー…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20221216-6057770)

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