“防衛増税”広がる波紋 岸田総理「国民の責任」…批判の高市大臣「罷免も仕方ない」(2022年12月14日)

“防衛増税”広がる波紋 岸田総理「国民の責任」…批判の高市大臣「罷免も仕方ない」(2022年12月14日)

“防衛増税”広がる波紋 岸田総理「国民の責任」…批判の高市大臣「罷免も仕方ない」(2022年12月14日)

 防衛費の増額を巡って、波紋が広がっています。増税の方針を打ち出している岸田文雄総理大臣について、ツイッターで「真意が理解できない」と批判した高市早苗経済安保大臣は、「罷免(ひめん)も覚悟している」と話しました。

■岸田総理「国民の責任」 復興税流用案も

 13日に開かれた自民党の役員会。岸田総理は、増税の必要性について、こう表現しました。

 岸田総理:「今を生きる国民が自らの責任として、しっかりその重みを背負って対応すべきものである」

 増税は「国民の責任」とまで言い切った岸田総理。役員会に出席した茂木敏充幹事長は、次のように話しました。

 自民党・茂木幹事長:「再来年、2024年度以降の適切なタイミングで、その年度の不足分を充足する、段階的導入を行っていく」

 2027年度までの5年間で、総額43兆円かかるという防衛費。

 毎年不足する1兆円あまりの財源については、法人税やたばこ税を引き上げるほか、復興特別所得税を流用する案が浮上し、波紋を広げています。

 東日本大震災からの復興のため、現在、所得税に2.1%上乗せされている、復興特別所得税。

 そこから2000億円ほどを、足りない防衛費に流用するほか、2037年度までとなっている徴収を20年程度延長し、その後は防衛費の活用分のみ上乗せしようとするものです。

■「断じてあり得ない」党内からも異論噴出

 これについて、13日の自民党・税制調査会では、出席者から反発が相次ぎました。

 自民党税調 幹事・西田昌司参院議員:「少なくとも、復興のための所得税をあてにして、防衛費の増大に充てるなんて、誰が言ったか知らないが。少なくとも、自民党の中でそんなこと言ってる人は誰一人いない」

 自民党・根本匠元復興大臣:「復興特別所得税は、復興に充てる。復興財源ですから。これが減らされるようなことは、断じてあり得ない」

■“批判投稿”高市大臣「罷免も仕方ない」

 10日、ツイッターに「真意が理解できない」と投稿した高市大臣は、次のように話しました。

 高市大臣:「間違ったことを申し上げているという考え方はない。ただし、閣僚の任命権は総理大臣にあるので。“罷免”されるということであれば仕方ない」

■自民党議員「岸田政権の力が弱いから…」

 自民党議員からは他にも、次のような声が上がっているということです。

 自民党幹部:「これを埋めるために、こうしたいというなら分かるけど。何もやってないうちから、税の話をするのはおかしくないか」

 自民党ベテラン議員:「岸田政権の力が弱いからだよ。政権支持率が高い時に、ここまで身内から異論は出ないでしょ」

■予定通り…今週中に“取りまとめ”か

 党内で異論が噴出するなか、防衛費増額のための増税案は、今後どうなっていくのでしょうか。

 テレビ朝日・千々岩森生 政治部デスク:「岸田総理としても、ここまで来て増税案を取り下げたり、防衛費で一歩引くということになってしまうと、政治生命というか、政権の命運に関わってくる。ここは、もう引けないという状況。自民党内の空気感を取材してみると、反対論はありながらも、取りまとめに向けて動いている。進んでいるなというところは、実はあるので。当初の予定通り、今週中には取りまとめが行われる運びでは」

(「グッド!モーニング」2022年12月14日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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