【大規模噴火】ジャワ島「スメル山」降り積もる火山灰 溶岩との闘い…長い歴史も(2022年12月5日)
インドネシアのジャワ島で大規模な噴火が発生し、2000人近くが避難する事態となっています。噴火活動は現在も続いていて、火砕流は火口から10キロ先まで到達しているということです。
インドネシアのジャワ島東部にある「スメル山」で4日未明、大規模な噴火が発生しました。
周辺の村や町では、住宅などが火山灰に覆われている様子も伝えられています。
バイクなどで一斉に避難する住民。顔や服は灰まみれです。
火山周辺の住民:「村では今、雨が降っていますが、火山灰で前が何も見えません」「(Q.これからどこへいくのですか?)分からない。一番重要なのは、とにかく村から逃げることだよ」
インドネシア国家防災庁によりますと、これまでに2000人近くが避難しましたが、けが人や死亡者の情報は入っていないそうです。
スメル山は今も活発化した状態で、火山灰に霞む道路を行き交う人々にはマスクの配布などが行われました。
緊急対策チームの責任者:「火砕流が継続していました。最も距離が長いもので約10キロ先の地点にまで流れたことが確認されています」
撮影者:「住宅地の方へ灰や泥が流れ込んでしまっている。警察や村長など、住民は皆、知り合いだから避難した家が空き巣に遭わないよう配慮してほしい」
人工衛星からの観測では、噴煙は高度約1万5000メートルに達したとみられます。
日本の気象庁によりますと、大規模噴火発生以降、国内外の観測点で目立った潮位の変化は確認されていないという事です。
緊急対策チームの関係者:「山へ近付く職員は気を付けて下さい。火砕流が流れているからです。今いる場所は安全なエリアです」
インドネシア・ジャワ島で最も高い3676メートルのスメル山は去年も噴火し、50人以上が死亡、数千人が避難する事態となりました。
多数の犠牲者が出た去年の影響からか、逃げ惑う住民たちの姿…。
また、上空へ多量に放出された火山灰を航空機のエンジンが吸い込んで停止したり、操縦席から見通しが効かなかったりするなど、今後の運航に重大な影響を及ぼす恐れも指摘されます。
スメル山から遠く離れた場所から住まいが火山灰に包まれていく様子を心配そうに見つめる住民たち。山の麓は瞬く間に黒く覆われ、見通しが効かなくなってしまいました。
自然の脅威は時に神秘的な光景を生み出します。
人々が見つめる先で夜空を赤く染める光。目の前に広がるのは灼熱(しゃくねつ)の世界。噴火から1週間が経った今も勢いが収まる気配はありません。
ホノルルのあるオアフ島から飛行機で約40分。ハワイ島の中心部に位置するマウナロア火山。
大地の割れ目から激しく吹き出した溶岩が次々と岩肌に降り注ぎます。そして、幾筋もの赤い川となって麓へ…。
38年ぶりの噴火とともに現れた光景を一目見ようと、多くの人たちが足を運んでいます。
一方で、不安の声も…。
地元住民:「マウナロアからの溶岩流は島のどちら側にも到達する可能性があることが怖いですね。巨大な火山ですから」
島の居住エリアは東と西の海沿いにあり、火山からは比較的、離れています。
しかし、東西をつなぐ幹線道路。あと、わずか数キロまで溶岩が近付いています。もし溶岩が幹線道路を飲み込めば、大きく迂回するルートを通る必要が…。片道1時間半の道のりが倍以上となる状況に。
地元住民:「片道4時間、往復で8時間掛けて通勤する人はあまりいないと思う。想像するだけでかなり大変だよ」
何か、溶岩を止める手立てはないのでしょうか。かつて人々は驚くべき方法で自然に抗おうとしていました。
38年ぶりに噴火したハワイ島マウナロア火山。この島での溶岩との闘いには長い歴史が…。
今から90年近く前の映像。目の前まで溶岩が近付くなか、調査を続ける人たち。有害な火山性ガスが噴き出すなかでもスーツ姿。
実はこの年、溶岩が流れ出る亀裂を破壊するため、米軍が飛行機から爆弾20個を投下する作戦を実行。
溶岩の流出は早めに収まったものの、専門家は「偶然だった」と話しています。
果たして、今回は…。現地当局は「溶岩の流れを予測するのが困難なため、今のところ流れを変えるなどの対策は考えていない」ということです。 (C) CABLE NEWS NETWORK 2022
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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